ソシエダ久保建英、負傷明け後のプレーに賛否 「快適にプレー」「精度を欠いた」…スペイン記者が見た“現在地”

ソシエダの日本代表MF久保建英【写真:Getty Images】
ソシエダの日本代表MF久保建英【写真:Getty Images】

【スペイン発コラム】セビージャとのアウェー戦で4試合ぶり出場の久保にフォーカス

 久保建英が11月9日、アウェーで行われたラ・リーガ第14節セビージャ戦で公式戦4試合ぶりの戦列復帰を果たした。

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 先月27日に行われたUEFAヨーロッパリーグ(EL)グループステージ第5節オモニア・ニコシア(キプロス)戦での左肩脱臼による離脱から復帰した久保は、前節バレンシア戦で公式戦3試合ぶりに招集メンバー入り。しかしイマノル・アルグアシル監督が「しばらく試合に出ていなかったため、1人少ない状況下で起用するのは厳しかった」と説明したとおり、DFエリッツ・エルストンドが早々に退場したことが影響し、90分間ベンチを温めることになった。

 その3日後に迎えたセビージャ戦、久保は再びベンチスタートに。しかし、FWカルロス・フェルナンデスが早々に負傷交代を余儀なくされたため、慌ただしくアップを開始し、前半10分に急遽投入された。

 いきなりの出場でコンディションが懸念されたが、久保は2トップの右に入ると立ち上がりから欠場を感じさせない素晴らしい動きを見せ、2回続けてオフサイドにはなったものの積極的にゴールを狙っていった。セビージャに退場者が2人出たあと、システムが4-3-3に変更されたことで左ウイングにポジション変更。サイドを広く使ってプレーしクロスを何度も入れ、MFダビド・シルバやFWアレクサンデル・セルロートの決定機を演出するも、ゴールには至らなかった。

 セルロートとMFブライス・メンデスのゴールにより2-1でリードした後半、時折左肩を気にする素振りを見せながらも、久保は左サイドからシルバのシュートチャンスをお膳立てし、自らもシュートを放ち、最後は右ウイングにポジションを変えて試合を終えた。チームは後半、セビージャの堅固な5バックを崩せず追加点を奪えなかったが、そのまま2-1で勝利し、ラ・リーガ4試合ぶりの勝ち星を挙げ3位に浮上した。

 久保は試合後のインタビューで、左肩の状態を危惧したアルグアシル監督から試合前に「今日はできれば出場させないつもりだ」と言われていたことを明かした。怪我の状態を聞かれた際には「サッカーをする分には問題はないが……」としつつも、まだ動きに制限があることも伝えていた。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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