今季J1でブレイクした「注目ヤングタレント8人」 “遠藤航の後継者”らカタールW杯後のA代表入りへ期待の逸材たち

(左上から時計回りで)東京の松木玖生、横浜の藤田譲瑠チマ、神戸の小林友希、広島の満田誠【写真:Getty Images & 徳原隆元】
(左上から時計回りで)東京の松木玖生、横浜の藤田譲瑠チマ、神戸の小林友希、広島の満田誠【写真:Getty Images & 徳原隆元】

【識者コラム】来シーズンの飛躍が期待されるJ1のヤングタレント8人を厳選

 今年のJ1リーグでは多くの若手の台頭が見られた。ただし、U-19日本代表を率いる冨樫剛一監督は「世界の同年代の選手がこれだけ活躍しているよと伝えている。(ジャマル・)ムシアラ(バイエルン・ミュンヘン)もペドリ(FCバルセロナ)もそう。彼らはどんなところで戦っているのか。自分たちはどこで戦っているのか。世界を認識して、意識してもらう」と語っており、Jリーグでもさらに活躍して、カタール・ワールドカップ(W杯)後のA代表に食い込んでもらいたいという思いは筆者も強い。

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 そうした思いも込めて、2022シーズンのJ1リーグで活躍が目立ち、来シーズンさらに飛躍しそうなヤングタレント8人を厳選。基本的に2000年生まれ以降を対象としたが、大卒ルーキーのみ1999年生まれでも例外的に含めている。東京五輪の正GKで、A代表の欧州遠征メンバーにも招集された谷晃生(湘南ベルマーレ)は2000年生まれだが“殿堂入り”で対象外とした。またサガン鳥栖で7得点の宮代大聖とU-19世代のキャプテンを務める中野伸哉(鳥栖)は「もっとできる」というリスペクトも込めて、今回は鬼の気持ちで外させてもらった。

■松木玖生
(FC東京/MF/2003年4月30日生まれ、19歳)
今季リーグ成績:30試合2得点

 10代の選手ではJ1で最も多くの時間プレーした選手であり、存在感もあった。アルベル・プッチ・オルトネダ監督はパスワーク主体のサッカーを植え付ける過程で、最初は運動量に頼る部分が大きいことも認めたうえで、高卒ルーキーの常識を超えた松木のフィジカル能力を買った側面はある。しかし、松木自身はこのチャンスを生かして、ポジショニングやボールの動かし方、機を見たゴール前への飛び出しなどを試合ごとに高めて勝利への貢献だけでなく、クオリティーアップにつなげた。アンダー世代の代表では「筋トレ塾長」だが、技術面、戦術面へのさらなる成長に期待するとともに、パリ五輪よりも前にA代表まで駆け上がってもらいたい1人だ。

■北野颯太
(セレッソ大阪/FW/2004年8月13日生まれ、18歳)
今季リーグ成績:18試合0得点

 現役高校生からの選出だ。名前のごとく、颯爽と前線を走り回りながら常に矢印はゴール方向にある。豊富なアタッカー陣を誇るC大阪にあっても、北野が投入されるとガラッと流れが変わるのは特別なタレントである証拠だろう。それでもリーグ戦のゴールはゼロ。試合を見れば惜しくも外れたシーンやGKの攻守に阻まれたシーンなど、あと一歩を欠いた。プロの世界はそのもう一歩の差が大きいのも事実。そこをこじ開けて、大先輩の南野拓実(ASモナコ)に続いてもらいたい。A代表で北野と南野が揃う日はそう遠くない日に来ると期待している。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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