カタールW杯で代表シェフは引退の意向 西芳照氏が“最高の思い出”に挙げたのは?

日本代表の胃袋を支えてきた西芳照シェフ【※画像はスクリーンショットです】
日本代表の胃袋を支えてきた西芳照シェフ【※画像はスクリーンショットです】

9月のドイツ遠征後にはカタール現地を視察

 日本代表の胃袋を支えてきた西芳照シェフが10月20日、カタール・ワールドカップ(W杯)に臨むサッカー日本代表のチームスタッフの一員として取材に応じ、今大会を最後に代表シェフを引退する考えを持っていることを明かした。

 2004年からサッカー日本代表の専属シェフを務めてきた西シェフにとって、カタール大会は通算5度目のW杯となる。「いつの間にか5回目になったというのが率直なところ。いつも通り仕事として行きますが、感覚としてはファミリー的なところがある。ご飯を作らせてもらいに行くという感覚」と、現在の心境を語った。

 9月に日本代表がドイツ遠征を行ったあとには、カタールへ立ち寄り、現地の状況を視察。「厨房の中を確認して、冷蔵庫、冷凍庫やどんな食材が手に入るかを確認しました。また、パンを含め、どういう環境で作るのか。調理場の空調、食事会場のどこに何を置くのかセッティングについて。調理場から食事場までの移動方法。泊まる部屋も確認しましたし、シェフとホテルのスタッフとも打ち合わせをしてきました」と、一足先にカタールで進めてきた準備について明かしている。

 日本代表のシェフとして活動し始めた当初は、どれくらいの量を食べるのかも手探りだったという。「一度、ハンバーグと銀鱈の西京焼きを一緒に出したことがあったのですが、銀鱈は食べたけれど、ハンバーグはほとんど残りました。それ以来、『メインになるおかずは一つでいいのかな』と。作るのも結構、大変なものですから、時間を有効に使ってメニューを組み立てるようにしています」と話す。

 提供するメニューについては、「試合の前の日の夜はウナギ、前々日の夜は銀鱈の西京漬け、その前の日はハンバーグ」という3つだけは決まっているが、それ以外のメニューについては現地に入り、チームの雰囲気や選手たちの様子、チームスタッフと相談しながら、献立を決めていくという。

 チームをよく知るからこそできる芸当だが、「年齢的にも、代表の専属シェフは今回を最後にしようという風に思っております」と、胸の内を明かした。

「最後にしようと言っても、どういう風な気持ちかと言えば、いつもと同じ気持ちです。選手のみなさんがいい成績を残せるように、常に同じ気持ちでやっています。各段、これといって、変わることはないつもりです。自分の意識を高ぶらせてアドレナリンを出しても仕方がない。そこは普通に淡々と仕事をこなしてやっていきたい」

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