【検証】森保ジャパンの「4年間」(2)・世代交代 “1チーム2カテゴリー”成果は「80点」、若手の台頭は「まだ物足りない」

森保ジャパンは4年間でどれだけ世代交代を進められたか…【写真:ロイター】
森保ジャパンは4年間でどれだけ世代交代を進められたか…【写真:ロイター】

【識者コラム】森保ジャパンの「4年間」を検証、世代交代に焦点

 森保一監督率いる日本代表の集大成となるカタール・ワールドカップ(W杯)本大会が、刻一刻と迫りつつある。2018年のチーム発足当初こそ国際Aマッチで連勝を重ねたが、W杯アジア最終予選では苦戦を強いられるなど、紆余曲折の道のりだった4年間を振り返るべく、ここではチームの世代交代に焦点を当て、改めて森保ジャパンを検証する。

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 2018年の秋に、A代表監督に就任する半年以上も前から、森保監督は東京五輪を目指す代表チームを率いていた。“1チーム2カテゴリー”というワードが定着したのはあとになってからだが、当初から世代間融合といった考えを森保監督も語っており、本来なら2020年夏に行われる予定だった東京五輪を経て、A代表にステップアップする選手が少なからず出てくることは想定できた。

 A代表における森保ジャパンのスタートからメンバー入りしていた東京五輪世代はMF堂安律とDF冨安健洋ぐらい。最初の国際大会となった2019年のアジアカップでも、その2人だけだった。当時はどちらかというと“ハリルジャパン“から西野朗前監督が継承したメンバーに、リオ五輪世代からMF中島翔哉やMF南野拓実が本格的に組み込まれたのがトピックだろう。

 大きな転機となったのが2019年夏のコパ・アメリカだった。東京五輪世代をベースにMF柴崎岳など数人のA代表メンバーを“仮想オーバーエイジ”で加えたチーム構成。国際Aマッチデーの期間ではなく、招待国の日本代表に選手の拘束力はなかったため、いわゆるフル代表ではない。その事情を逆手に取った強化プランだったが、FW上田綺世やFW前田大然、DF板倉滉といった現在A代表に定着している1997年以降に生まれた選手たちも、多くがこの大会で初めてA代表のキャップを踏むこととなった。

 そこからW杯2次予選を戦うなかで台頭したのはMF橋本拳人やMF鎌田大地、MF守田英正、FW古橋亨梧など、東京五輪世代より少し年齢が上の選手たち。一方で東京五輪世代は本番に向けて別個に活動しており、日程が被った時は参謀である横内昭展コーチが監督代行として指導していた。2019年の年末に国内組だけで臨んだE-1選手権の釜山大会では同年のJリーグMVPだったFW仲川輝人やキャプテンを任されたDF佐々木翔など加える形で、大半は東京五輪世代から招集された。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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