W杯ドイツ戦へ「日本代表ベスト11」は? 金田喜稔が「使わないのはもったいない」と指名、阿吽の呼吸コンビの同時起用を切望

強豪ドイツ戦を見据え「日本代表ベスト11」を選出【写真:ロイター】
強豪ドイツ戦を見据え「日本代表ベスト11」を選出【写真:ロイター】

【専門家の目|金田喜稔】11人を選考「迷う1トップは上田綺世を推したい」

 森保一監督率いる日本代表はドイツ遠征を行い、9月23日の国際親善試合アメリカ戦で2-0と快勝し、続く27日のエクアドル戦で0-0と引き分けた。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、カタール・ワールドカップ(W杯)グループリーグ初戦の強豪ドイツ戦を見据えつつ、現時点での「日本代表ベスト11」を選出した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 11月のカタールW杯でドイツ、コスタリカ、スペインと対戦する日本。W杯最終メンバー発表前の9月にドイツ遠征を敢行し、W杯に出場するアメリカ、エクアドルと手合わせして最終選考マッチを終えた。

 森保ジャパンの攻撃を牽引してきたFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)がドイツ遠征メンバーから外れたなか、「今回のメンバーが、W杯の選考でほぼほぼ残るのは目に見えている。あとはどのような組み合わせで、どのような戦い方をするか。それから大迫の状態がどうか、というところだろう」と言及。「大迫は最終メンバーに入る可能性は十分あるが、初招集のような真のサプライズ選出はまずないだろう」と展望する。

 そうしたなか「現時点であれば」という前提で日本代表のベスト11を選出。11月23日のW杯グループリーグ初戦のドイツ戦を見据えた11人を選んだ。

「4-2-3-1をベースに考えると、GKは権田修一(清水エスパルス)。最終ラインはセンターバックが吉田麻也(シャルケ)と冨安健洋(アーセナル)、右が酒井宏樹(浦和レッズ)、左は高さの面で長友佑都(FC東京)ではなく伊藤洋輝(シュツットガルト)。ダブルボランチは遠藤航(シュツットガルト)と守田英正(スポルティング)。2列目の右は伊東純也(スタッド・ランス)が不動で、トップ下は鎌田大地(フランクフルト)だ。今の調子を考えると鎌田を使わないのはもったいない」

 その一方、迷いを見せたのは2列目左と1トップだ。「2列目左は三笘薫(ブライトン)。ただ、久保建英(レアル・ソシエダ)が先発してもまったく不思議ではない。攻撃的なポジションならどこでも対応する久保は、状況に応じていろいろな起用法が考えられるので強力な切り札として残しておきたい。迷う1トップは上田綺世(セルクル・ブルージュ)を推したい」と続けた。

「ドイツやスペイン戦で簡単にビルドアップができるわけがなく、前線で潰れ役を全うできる上田がいるとチームが助かりそうだ。前線からのプレッシングで言えば前田大然(セルティック)の一択だが、綺麗なビルドアップができない時の方法論として上田の1トップは十分あり。前線で身体を張ってくれればチーム全体を押し上げられるうえ、こぼれ球を鎌田が拾えばそこからのチャンスも期待できる」

 また三笘と上田のセット起用を切望している金田氏は、「三笘と上田は学生時代からコンビネーションを磨いてきた2人だし、東京五輪ホットラインは阿吽の呼吸がある。どちらかを起用するというより、2人セットのほうが何かを起こす可能性があると思う」と期待を膨らませていた。

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金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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