南野拓実を「かごに閉じ込めるのはナンセンスだ」 金田喜稔が起用法に持論…「リバプールに見出された強み」力説

日本代表MF南野拓実【写真:Getty Images】
日本代表MF南野拓実【写真:Getty Images】

【専門家の目|金田喜稔】1トップ起用も提言「左サイドにこだわる理由はない」

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング24位)は9月23日、ドイツ・デュッセルドルフでのキリンチャレンジカップでアメリカ(同14位)と対戦し、2-0と勝利を収めた。27日にエクアドル戦を控えるなか、「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、MF南野拓実(ASモナコ)の起用法について持論を展開。「名門リバプールに見出された特性と強みが最も生きる」適性ポジションでの起用を求め、「サイドというかごに閉じ込めるのはナンセンスだ」と力説している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 アメリカ戦で4-2-3-1システムを採用した日本は、MF鎌田大地(フランクフルト)とMF三笘薫(ブライトン)のゴールで2-0と勝利。今月18日のリーグ・アン第8節スタッド・ランス戦(3-0)で、フランス移籍後初ゴールを含む1ゴール1アシストの大活躍を見せた南野はサブに回り、最後まで出番は訪れなかった。

 森保ジャパンの発足当時はトップ下を主戦場としてゴールを量産していた南野だが、今では左サイドが定位置となっている。アメリカ戦ではトップ下に鎌田、2列目左でMF久保建英(レアル・ソシエダ)が先発。後半から久保に代わって入った三笘が1ゴールと結果を残し、左サイドの競争は熾烈を極める。

 金田氏は次戦での南野起用を見据えて、「これまで言い続けているが、左サイドは南野の適性に合っていない。4-2-3-1を採用するのであれば、1トップかトップ下が適性ポジション」と断言した。

 エクアドル戦は大幅なメンバー変更の可能性もあるなか、「アメリカ戦で南野は起用されなかったが、次のエクアドル戦も同様のシステムを採用するのであれば、思い切って1トップ起用もありだと思っている。左サイドには久保や三笘、右サイドには伊東(純也/スタッド・ランス)や堂安(律/フライブルク)らが控えており、南野の左サイド起用にこだわる理由はない」と力を込める。

 右サイドは伊東が不動の存在として君臨する一方、1トップやトップ下、左サイドは11月のカタール・ワールドカップ(W杯)試合当日まで流動的な気配が漂う。南野の起用法について、「南野のアタッキング能力であれば、1トップとトップ下のどちらも高い水準でこなせるが、いずれにしても最大のポイントはできるだけ中央でプレーさせることだ。アタッカー南野の本領が発揮できるエリアであり、名門リバプールに見出された特性と強みが最も生きる」と指摘し、次のように締めくくった。

「相手のペナルティーエリア付近でプレーさせた時、南野は最も輝く選手。ターンの上手さは言わずもがなだが、シュートに持って行く形も南野ならではスタイルがある。中央でプレーした時にアタッキング能力が開花するタイプで、サイドというかごに閉じ込めるのはナンセンスだ」

 27日エクアドル戦のメンバーとシステム、そして南野の起用法はどうなるのか。金田氏も強い関心を寄せていた。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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