J1湘南×浦和、VARチェック完了→突如試合終了はなぜ起こった? 元審判・家本氏が解説「違反もしていないしミスでもない」

試合終了のタイミングを考察(※写真はイメージです)【写真:高橋 学】
試合終了のタイミングを考察(※写真はイメージです)【写真:高橋 学】

試合終了のタイミングを「Jリーグジャッジリプレイ」で考察

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」の第26回が公開され、9月17日に行われたJ1リーグ第30節湘南ベルマーレ対浦和レッズ(0-0)の試合終了のシーンに着目。出演した元プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏が、審判目線からこの場面を解説している。

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「Jリーグジャッジリプレイ」最新回で、話題に上がったのはこの試合の終わらせ方だ。スコアレスのまま試合が進み後半アディショナルタイムへ突入した場面。湘南が右サイドからクロスを上げ、MF中野嘉大がボレーを打つと、浦和MF関根貴大に当たってコーナーキック(CK)となる。

 ここで主審がVARと交信し、判定チェックのために試合が一時中断。確認が終わり、湘南側のCKで再開かと思われたが、岡部拓人主審はここで試合終了の笛を鳴らした。これがラストチャンスという認識があったことから湘南側の選手やスタッフが抗議をするも、そのままゲームが終わることとなった。

 家本氏はこの場面についてどうするべきだったか問われると「難しいですね…」と切り出しつつ、「テクニカル」と「運用」のテーマに分けて解説している。

「テクニカル」部分に関して「競技規則上では追加時間5分と言われていて、その間追加するような事象はなかった。なので95分ジャストから95分59秒まで見てもいい。なぜこのラグがあるのかと言うと、その間にプレーが止まる可能性があり、競技規則では交代、負傷などの時間の浪費に関して時間が空費された場合にはそれを補ってくださいと記載してある。どれだけ補うかは主審の裁量となっている」と紹介し、主審の裁量についても率直な見解を述べている。

「主審の裁量の部分で、きっちり(時間を)取るのと、ざっくり試合の流れから決める2パターンがある。それを含め、0秒から59秒までの判断の尺が持たされている。その点からテクニカル上は(湘南対浦和の)主審は違反もしていないしミスでもない」

 一方で、「運用」部分に関して「レフェリーに大きな落ち度があると言われても仕方がない」と厳しい声を上げている。

「もしここで止めるのであれば、VARチェックが入る前に、一度笛で試合を止めて注目を主審に集め、『もうやりません』とジェスチャーも含めて伝える方法もある。そういう対応がなく、両チームがもやもやした状態で準備して突然(試合を)終了させたら、それは納得感がない。人の気持ちを整理する手筈が少し欠けていたためにこういうことになってしまったのかなと思う。もう一つ言えば、『想定外のことを想定する』のがすごく大事。この状況で試合を止めたら、多くの人がどうリアクション取るのかを事前に想定しておけば……。

 終わり良ければすべて良しという言葉があるように、どんないいパフォーマンスがあっても、終わり方によっては浦和も気持ち悪いし湘南はもっと気持ち悪い。この終わり方でフットボールの価値が上がったかというと違うと思う。であるならは、異なる方法もやるべきだったし、『考えなかったの?』とは問われるところなのかなと」

 家本氏は、そう自身の考えを述べたうえで、「僕のこの考えは日本サッカー協会やFIFA(国際サッカー連盟)が認めている、推奨しているものではない。否定もされていない。フットボールをどう捉えるかが大事なのかなと思う」と試合を捌くレフェリーのフットボール観に左右されるものでもあるとも指摘していた。

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