ソシエダ久保の最適ポジションはFW?MF? 熾烈なレギュラー争いに直面…現地記者が推す「クボに合っている」起用法とは
【スペイン発コラム】今夏ソシエダ新加入の久保、新天地での起用法を考察
久保建英がスペイン1部レアル・ソシエダに加入してから2か月近くが経過し、プレシーズンから現在に至るまで計8試合に出場してきた。イマノル・アルグアシル監督が4-3-3と4-4-2(ダイヤモンド)を併用したなか、久保はおそらくチームの誰よりも多くのポジションでプレーしてきた選手だろう。
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プレシーズンマッチ初戦のボルシアMG戦は4-4-2のトップ下(途中出場)、2試合目のオサスナ戦は4-3-3の右ウイングと右インサイドハーフ(先発)、3試合目のボーンマス戦は4-3-3の右インサイドハーフ(途中出場)、4試合目のアスレティック・ビルバオ戦は4-3-3の右ウイング。ゴール、アシストともになかったが、素晴らしい抜け出しでGKと1対1になる場面や惜しいシュートがあり、チャンスを度々演出して良い印象を与えていた。
しかし、いざリーガが始まると、久保は予想外にも一度も練習していない4-4-2のFWで先発起用されることとなった。その理由はアルグアシル監督がミケル・オヤルサバルとカルロス・フェルナンデスの長期離脱によるFW陣の層の薄さ、および、中盤の選手層の厚さを考慮したものと見られている。
その状況に戸惑うことなく久保は即座に適応した。2トップの左でプレーしたカディスとの開幕戦では相手DF裏に抜け出して決勝点をマークし、いきなり監督の期待に応えてみせた。その後もFWでの先発出場が続き、第2節のFCバルセロナ戦は2トップの左、第3節のエルチェ戦は2トップの右に入った。プレシーズンを含め、どのポジションで起用されようとも一定のパフォーマンスを発揮してきた久保に対し、現地メディアは軒並み及第点以上をつけ、ポリバレントな能力を高く評価した。
しかし今夏の移籍市場でアレクサンダー・セルロートとウマル・サディクが加入したことにより、久保の今後の起用法に大きな変化がありそうだ。実際、第4節のアトレティコ・マドリード戦ですでにそれが見られた。久保はコンディション不良と戦術面の2つを理由に今季のリーガで初めてベンチスタートとなり、後半途中にダビド・シルバとの交代で、初めてFWではなくトップ下でプレーしたのである。
セルロートとサディクの加入、および、モハメド=アリ・チョーが大幅に調子を上げていることで、今後、FW陣のポジション争いの激化が予想されるが、この状況を踏まえ、スペインのラジオ局「カデナ・セル」でソシエダ番を務めるロベルト・ロマホ記者は久保の今後について語ってくれた。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。