岡田武史氏、カズ落選の決断に「全然後悔はない」 1998年W杯のメンバー選考を回想「ベストを尽くした」

岡田武史氏【写真:Getty Images】
岡田武史氏【写真:Getty Images】

E-1選手権第2戦の中国戦、テレビ解説でW杯メンバー枠に言及

 FIFAランク24位の日本代表は7月24日、E-1選手権の第2戦でFIFAランク78位の中国代表と対戦した。カタール・ワールドカップ(W杯)に向けて、国内組の選手選考としても重要な今大会、中継したフジテレビでは元日本代表監督の岡田武史氏、元日本代表DF槇野智章が解説を務め、岡田氏が1998年に日本が初出場したフランスW杯の際の選手選考について語る場面があった。

 カタールW杯は、登録メンバーがこれまでの23名から26名に増枠された。過去、2度、W杯で日本代表を率いた岡田氏は、枠が増える影響について「ものすごく大きい」とコメントした。

「たった3人かと思うかもしれませんが、ものすごくいろいろなパターンが考えられる。3人増えるというのは、かなり監督としてはいろんなことが考えられる。組み合わせ含めて」と、コメントした。そして、より具体的にチーム作りについても明かした。

「23人の場合、決勝まで進んでも1回も出ない選手が出るんです。26名になると、もっとそういう可能性がある選手が出てくる。そういう可能性のある選手に、どういう選手を置くかも、一つチーム作りには大きなポイントになる。例えば僕の時は、(2010年に)川口能活をチームキャプテンにしました。川口が残り組の練習を一生懸命やってくれたら、若い選手は文句を言えない。彼がボールを片づけたりいろんなことをしてくれたら、チームがグッと締まる。そういうメンバーの選考もある。そういう意味では、26名に増えたら、もっといろいろな可能性が増えますよね」と、言及した。

 この発言を受けて、槇野は「幅が広がりますよね」と同調してから、「岡田さん、そうすると3名が増えて23名から26名になって3人増えたら、98年の時のフランスW杯のメンバー選考は大きく変わりますか?」と質問をぶつけた。

 1998年のフランスW杯の当時は、選手の最終登録数が22名であり、日本代表のエースだったFW三浦知良やMF北澤豪氏、DF市川大祐が最終登録メンバーから外れ、大きな話題となった。岡田氏は「それは分からないけど」と前置きをしつつ、「僕はあの時、41歳でまだ監督をやったこともなかった状況だったけれど、その時に自分で選んだメンバーのことは、カズのことを言っているのだろうけれど、全然後悔はない」と、当時の考えられる最善の決定を下したと強調した。

 そして、「でも、それが経験を積んだ時に、カズをどうしたかというと、それは全然違ったと思う。しかし、あの時の自分はチームが勝つためにベストを尽くした。それを自分の私心というか、自分が有名になりたいとか、自分が成功したいというのではなく、チームが勝つためを考えた自信があった。だから別に僕は何とも思っていないし、それもカズもわかってくれていると思う。だから今でも付き合いがある。監督の仕事というのは、そういうこと。自分が私心なくやったら、逃げ隠れすることは何もない。チームが勝つために自分がベストだと思ってやっていることだから」と、24年が経っても話題になるカズ落選についての自身の考えを明かした。

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