バロテッリが27日ぶりの今季公式戦2得点目に「やっとだ!」

苦悩の日々が伝わる一言

◇キャピタル・ワン杯4回戦リバプール2-1スウォンジー・シティ (10月28日=アンフィールド)
「やっとだ!」
 元イタリア代表FWマリオ・バロテッリは、逆転勝利をあげた試合後にTwitterで、喜びと安堵の入り交じるコメントを残した。
 27日ぶりのゴールだった。後半途中出場すると、41分、元イタリア代表FWファビオ・ボリーニが上げたクロスを左足で合わせた。チームの逆転勝利を引き寄せる貴重な同点弾となった。
 結果を残せなかった試合終了後のピッチでぶぜんと立ち尽くすバロテッリの画は、もはやお決まりになりつつあった。だが、彼自身の内心は不安で仕方がなかったのだろう。貫禄すら感じさせるたたずまいではあるが、彼は24歳。まだまだ若い青年は、多くを期待され、多くの罵倒を浴びてきた。ここまでの苦労を感じさせるほどの感極まった思いが、そのたった一言のツイートから伝わってくる。
 しかし、リーグ戦ではいまだノーゴールが続く。移籍金27億円に見合った働きができていないのが正直なところである。加入してからたった3カ月でナポリへの移籍話が浮上してしまうなど、決して満足な日々を過ごせているわけではない。もちろん、今回のゴールですべてが報われるほど、現実も甘くはない。多くの出番を与えられている中でゴールを決められず、チームは不振に陥っている。バロテッリが非難の的になってしまっても仕方のない状況であるのも事実である。
 サポーターや、コメンテーターからの「バロテッリを先発から外せ」という声は日増しに大きくなってきている。ブレンダン・ロジャーズ監督は、それでも背番号「45」をピッチに送り出し続ける。その采配を疑問視する意見も出てきているが、指揮官は彼への信頼を示し続けている。
 ポテンシャルへの期待も考慮しているのかもしれない。だが、ここまで結果を出せていない選手を起用し続ける理由は何なのか。おそらく北アイルランド人指揮官は、イタリアのエースに猶予を設けているのだろう。
 得点どころか、そもそもパフォーマンスも不十分である。だが、彼はもともと1トップを担うタイプではない。2トップでこそ本領を発揮できるプレーヤーなのだ。実際に、前節のハル・シティ戦で、試合途中にイングランド代表FWリッキー・ランバートと2トップを組んでからは、動きが良くなり、チャンスに絡む機会も増えた。
 ただし、ランバートとは、それほど相性の良い組み合わせではない。バロテッリの約1カ月ぶりのゴールを演出したボリーニも、物足りなさは否めない。

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