主砲A・ロペスが6試合出場停止…横浜F・マリノス、エース助っ人不在の穴を埋める“代役候補”になり得るのは?

横浜FMの今後の戦い方に注目【写真:徳原隆元】
横浜FMの今後の戦い方に注目【写真:徳原隆元】

【J番記者コラム】唾吐き行為によって6試合出場停止、得点源A・ロペス不在の影響を考察

 主砲不在の難局をいかにして乗り越えるのか。横浜F・マリノスが3シーズンぶりのリーグ制覇を成し遂げるために、避けては通れない道だ。

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“事件”は5月21日に行われたJ1リーグ第14節アビスパ福岡戦(0-1)の後半に起きた。FWアンデルソン・ロペスが相手選手への唾吐き行為によって一発退場。Jリーグ規律委員会はリーグ戦6試合の出場停止処分を科した。

 ここまで7得点を挙げてゴールランキング上位につけていた得点源を欠くのは大きな痛手。チームは3位と好位置につけているものの、7月6日の第20節サンフレッチェ広島戦までをしのぎ切らなければタイトル争いに生き残れない。

 代役の筆頭候補は5月25日の京都サンガF.C.戦で(2-0)先発したFWレオ・セアラだ。昨季は10得点を挙げているようにストライカーとしての能力と実績はまずまず。シュートレンジの広さはチーム随一で、背番号通り“9番タイプ”の働きが期待できる。

 ただし京都戦で放った5本のシュートはいずれもゴールに結びつかなかったように、決定力という点でA・ロペスに見劣りする。ケヴィン・マスカット監督が「チームのために素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる選手のひとり」と評したように、身体を張ったポストプレーやチェイシングなどでチームのために汗をかくことで良さが出る選手だ。

 もうひとりの候補がFW西村拓真である。横浜FM加入後はトップ下での起用機会も多く、先の京都戦でもその位置で先発した。中盤でスペースを見つける動きに優れ、2列目から飛び込んでゴールも狙える9.5番タイプだ。

 仙台在籍時の2018年に11得点を挙げた実績もあるが、今季に入ってストライカーとして先発したのは第3節の清水エスパルス戦(2-0)のみ。第10節のヴィッセル神戸戦(2-0)で走行距離13.56kmを記録したようにハードワーカーとしての一面も持つため、横浜FMにおける適正ポジションはトップ下かもしれない。

 おそらく連戦では2選手の負担を考慮し、ほかのポジション同様にターンオーバーしながら起用法を考えていくのだろう。最も恐れている展開はA・ロペス不在時にレオ・セアラや西村に負傷が発生することで、指揮官は怪我人続出に頭を悩ませたシーズン序盤戦の反省からリスクを最小限にとどめた采配を振るう可能性が高い。

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藤井雅彦

ふじい・まさひこ/1983年生まれ、神奈川県出身。日本ジャーナリスト専門学校在学中からボランティア形式でサッカー業界に携わり、卒業後にフリーランスとして活動開始。サッカー専門新聞『EL GOLAZO』創刊号から寄稿し、ドイツW杯取材を経て2006年から横浜F・マリノス担当に。12年からはウェブマガジン『ザ・ヨコハマ・エクスプレス』(https://www.targma.jp/yokohama-ex/)の責任編集として密着取材を続けている。著書に『横浜F・マリノス 変革のトリコロール秘史』、構成に『中村俊輔式 サッカー観戦術』『サッカー・J2論/松井大輔』『ゴールへの道は自分自身で切り拓くものだ/山瀬功治』(発行はすべてワニブックス)がある。

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