ファン・ハール戦術の解体に苦心するモウリーニョ 「20人の新戦力とゼロから始める方が簡単」

ゴールへの最短距離を求めるモウリーニョ

 ファン・ハール前監督の下では、DFラインからしっかりとパスをつないで攻撃を組み立てるスタイルが主流だった。しかし、攻撃が手詰まりとなり、DFラインで横パスを回すだけの時間が多くなるシーンも多かった。これに対してモウリーニョ監督はDFラインを常に高く保ち、ボールを奪ってからはダイレクトにゴールを目指す縦に速いスタイルのチーム作りを得意としている。その決定的なスタイルの違いは「20人の新しい選手を連れて来て、ゼロからスタートするほうがまだ簡単かもしれない」と語るほどで、就任早々に困難なミッションに直面している。

「私は選手たちには、ボールを持ったら、すぐに対戦相手の間のスペースを突くような解決策を選んでほしい。トレーニングではそれができなくても、すぐに動きを止めて説明し、繰り返し続けることができる。しかし、実際の試合ではボールが来てから考える時間はない。無意識に反応できるようにならないといけない。

 また、同じようにゾーンディフェンスに切り替えられるようにもならないといけない。2年間マンツーマンでやってきたのであれば、そこからすぐに変わることは難しい。センターバックは15〜20メートル後退するような状況でも、相手を追わなければいけなかった。そうしたシステムが間違っているとは言わない。単純に私のやり方とは違うということだ。私は選手にゾーンで守るように言っている。相手を深追いせず、チームとしてコンパクトさを保つ。しかし、2年間続けてきた考え方を変えるには時間が足りない」

 モウリーニョ監督は変化の必要性とその難しさを強調しているが、それと同時に就任1年目からタイトルを求められるプレッシャーも歓迎し、目標達成への自信をのぞかせた。ポルト、チェルシー、インテル、レアル・マドリードと、これまで指揮した全てのクラブでタイトルを獲得してきた実績が自信の裏づけとなっているようだ。

 

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