Jリーグレフェリーの競技ルール“適用ミス”、なぜ起きた? JFA審判委員「勘違い」と経緯を報告

再試合が決定した(写真はイメージです)【写真:高橋 学】
再試合が決定した(写真はイメージです)【写真:高橋 学】

J2リーグ「山形対岡山」で競技規則の適用ミス判定、再試合が決定

 Jリーグは4月5日、競技規則の適用ミスがあったJ2リーグ第8節のモンテディオ山形対ファジアーノ岡山の一戦(0-1)の取り扱いについて、再試合にすると発表した。オンライン会見に出席したJFA(日本サッカー協会)審判委員会副委員長・JFA審判マネジャーの扇谷健司氏は、当該試合を担当した審判団へヒアリングをしたうえで、この事象が起きた経緯を明かした。

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 山形対岡山の一戦では、前半10分過ぎのジャッジへ疑惑の目が向けられていた。山形GK後藤は、味方からのバックパスが無人のゴールに向かった際、手で掻き出し難を逃れたが、このプレーに対して清水修平主審はバックパスによるハンドの反則をとったうえでレッドカードを提示し、一発退場を命じた。

 しかし、競技規則の第12条には「ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア内で、認められていないにもかかわらず手や腕でボールを扱った場合、間接フリーキックが与えられるが、懲戒の罰則は与えられない」との記述があり、競技ルールの適用ミスの可能性が浮上。山形側も声明を発表する事態に発展していた。

 Jリーグは4日、このジャッジについて「勝敗の決定に影響を及ぼす、担当審判員による明らかな競技規則の適用ミスがあったことが確認されました」と発表。さらに5日、JFAを通じて国際サッカー評議会(IFAB)にも確認したうえで臨時実行委員会および臨時理事会を開催し、協議した結果、「山形は約80分間にわたって1人少ない状態で試合を行うことになり、試合の結果に重大な影響を及ぼし得た」として、再試合とすることを決定した。

 今回の事象は、主審、副審を含め、現場に居合わせた審判団が誰一人として、競技ルールの“適用ミス”に気づかなかった極めて異例なケース。スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグ ジャッジリプレイ」でもこのジャッジが取り上げられたなか、同番組に出演したFIFA・AFC・JFA審判インストラクターの深野悦子氏は「審判団として協力ができなかったのか、どうだったんだろうとは思いました」と、ミスを指摘できなかった事実に首を傾げた。

 JFA審判委員会副委員長の扇谷氏は、5日のオンライン会見でこの事態発生の原因に言及。JFA審判員としては競技ルールに基づいた判定を把握していたものの、頻繁に変わる競技ルールが「勘違いをする原因になっていた」と明かした。前述した競技規則の第12条には、「プレーが再開された後、他の競技者が触れる前にゴールキーパーが再びボールを触れる反則の場合(手や腕による、よらないにかかわらず)、相手の大きなチャンスとなる攻撃を阻止した、または相手の得点や決定的な得点の機会を阻止したのであれば、懲戒の罰則が与えられる」との記述もあり、前後の内容が混同させる要因となったようだ。

「(競技規則の)条文が変わってきている。審判員として勘違いしやすい」と扇谷氏。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の導入により、誤審への問題は以前よりも解消されつつあるなか、ここに来て競技ルールの認識不足という課題に直面する形となった。

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