「DOGSOには該当しない」 J2リーグ「山形対岡山」の疑惑ジャッジ、“一発レッド”提示へ専門家見解

問題となったジャッジを振り返っている(写真はイメージです)【写真:高橋 学】
問題となったジャッジを振り返っている(写真はイメージです)【写真:高橋 学】

山形GK後藤への競技ルール“適用ミス”を「Jリーグ ジャッジリプレイ」で検証

 J2リーグ第8節のモンテディオ山形対ファジアーノ岡山(0-1)で、山形GK後藤雅明が一発退場処分を下されたジャッジに対し、Jリーグ側は4月4日、競技規則の適用ミスがあったと発表した。この事象はスポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグ ジャッジリプレイ」でも取り上げられ、問題となったジャッジを振り返っている。

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 山形対岡山の一戦では、前半10分過ぎのジャッジへ疑惑の目が向けられていた。山形GK後藤は、味方からのバックパスが無人のゴールに向かった際、手で掻き出し難を逃れたが、このプレーに対して清水修平主審はバックパスの反則をとったうえでレッドカードを提示し、一発退場を命じた。

 競技規則の第12条には「ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア内で、認められていないにもかかわらず手や腕でボールを扱った場合、間接フリーキックが与えられるが、懲戒の罰則は与えられない」との記述があり、競技ルールの適用ミスの可能性が浮上。Jリーグ側は4日、「担当審判員による明らかな競技規則の適用ミスがあった」と認めた。

 この事情は「Jリーグ ジャッジリプレイ」の最新回でも取り上げられ、バックパスを手で処理した山形GK後藤へのレッドカード提示について、FIFA・AFC・JFA審判インストラクターの深野悦子氏は誤りであると指摘。一方でこのシーンでは「決定的な得点機会の阻止」いわゆる「DOGSO・ドグソ」のようにも見え、その場合はレッドカード提示が妥当となる。

 深野氏は「ゴールキーパーだけは、ペナルティーエリア内で手が使える唯一の選手で、その方が手で扱ったら間接FKのみ、それはDOGSOには該当しないというふうに解釈しています」とコメント。あくまでこのシーンでの反則はバックパスのみであり、決定機阻止にはならないとした。

 競技規則の第12条には、ほかにも「プレーが再開された後、他の競技者が触れる前にゴールキーパーが再びボールを触れる反則の場合(手や腕による、よらないにかかわらず)、相手の大きなチャンスとなる攻撃を阻止した、または相手の得点や決定的な得点の機会を阻止したのであれば、懲戒の罰則が与えられる」との記述もある。

 これに関して深野氏は「FKやゴールキックをGKが蹴りましたと。その後、もう1回触ってしまったら懲戒の罰則がつきます。DOGSOもありますが、今回の場合は単にバックパスだから懲戒にはならない」と解説。競技規則に照らし合わせつつ、改めて競技規則の適用ミスを指摘した。

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