パリ五輪世代の10番・斉藤光毅、本気で狙う“A代表” 森保ジャパン入りへの野心は「人一倍」

ベルギー2部ロンメルに所属するFW斉藤光毅【写真:Getty Images】
ベルギー2部ロンメルに所属するFW斉藤光毅【写真:Getty Images】

【識者コラム】カタールW杯のメンバー入りも? U-21日本代表のタレントに注目

 大岩剛監督が率いるU-21日本代表はドバイカップU-23でクロアチア、カタールに連勝し、アジアの強豪サウジアラビアとの順位決定戦に臨むことになった。今回はチーム事情で途中合流、途中離脱も認められたうえで、この世代では久しぶりの国際試合で、少しでも良いメンバーを招集しての活動となった。

 2試合でDFチェイス・アンリ(尚志高)とGK佐々木雅士(柏レイソル)を除く23人がプレーしており、スタメンもほぼ入れ替えた中で無失点での連勝は立派な結果だ。

 クロアチア戦でゴールを決めたFW小田裕太郎(ヴィッセル神戸)が怪我のため、DF木村誠二とDF半田陸(ともにモンテディオ山形)、MF松木玖生(FC東京)、MF甲田英將(名古屋グランパス)、FW藤尾翔太(徳島ヴォルティス)はチーム事情で離脱。残ったメンバーにサウジアラビア戦は託されるが、大岩監督は「彼らにも伝えたことは帰ってから、自分たちのチームに戻ってからの意識の持ち方が非常に重要になる」と語り、さらにこう続けた。

「我々がレベルの高いところを目指すと言っている以上、日常をどう過ごすかが重要になりますので、そういうところの基準も、我々U-21の基準を忘れずに、今後の日常を過ごして欲しい」

 例えば2003年生まれの松木に対して、大岩監督は才能を認めながらも注文を付けることを忘れていない。

「彼自身が感じて、気づいて、おそらくレベルアップしてくる。彼のことだから。チームで戦う以上、彼のポジションの役割はもっともっと攻守において、洗練されていかなければいけない。

 身体の強さを生かすような、(カタール戦の)前半見せたようなボックス・トゥ・ボックスの動きをもっと回数増やして欲しい。本人は気付いていると思いますので、チームのポジションとしての役割をもっと伸ばしていってくれたら、チームにとっては非常に大きな存在になる」

“パリ五輪からA代表”ではなく“A代表からパリ五輪”という高い目標を掲げる今回のチームにとってオーストラリアでA代表がカタール・ワールドカップ(W杯)の切符を勝ち取ったことは大きな刺激であると同時に、自分たちが追い付き、超えていくべきターゲットとして見据える機会にもなったようだ。

 右サイドバックでインパクトのあるプレーを見せた半田は「東京オリンピックの世代の選手たちが活躍して、W杯出場を決めてという試合だったので。若いうちから、ああいう舞台を意識してやらなきゃいけないとすごく感じた」と語り、同じポジションのDF山根視来(川崎フロンターレ)が見せた決勝点のアシストも大きな刺激になったようだ。

 現在のA代表には2001年生まれのMF久保建英(マジョルカ)がおり、世代のパイオニア的な存在になっている。さらに1月の国内合宿でDF西尾隆矢(セレッソ大阪)、MF松岡大起、FW鈴木唯人(ともに清水エスパルス)、FW荒木遼太郎(鹿島アントラーズ)がA代表を経験した。ここからの成長次第で、久保に限らずカタールW杯のメンバーに食い込んでもおかしくない。

page1 page2 page3

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング