豪州記者、“大一番”に挑む森保ジャパンの招集メンバーへ驚き 「良い選手を見過ごした」

日本代表を率いる森保一監督【写真:高橋 学】
日本代表を率いる森保一監督【写真:高橋 学】

日本のキーマンに触れつつ、才能あふれるタレントの招集外へ疑問符

 日本代表は3月下旬のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で、オーストラリア(24日/アウェー)、ベトナム(29日/ホーム)の2連戦を迎える。オーストラリア戦に関しては、勝てばカタールW杯出場が決まる大一番となるなか、日本在住の豪州人ジャーナリスト、スコット・マッキンタイヤー氏は、今回の2試合に向けて森保一監督が選んだ招集メンバーへ疑問を呈している。

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 オーストラリア戦に臨む日本代表だが、キーマンは1人だけというわけではない。今の日本には11人から14人程度、違いを生みだせるタレントが存在している。

 局面を打開できる危険な実力者が数多く存在する一方、日本の問題点と言えば、守備面と得点力という2点になるだろう。創造性を持つ選手は多いが、より重要な選手といえば、攻守のリンクマンというタスクを考えるとMF遠藤航(シュツットガルト)になる。

 最終ラインの前でシールド役としても有益で、カウンターの起点としても期待は大きい。戦術的にとても知性の高い選手だと思う。

 個人的な驚きは森保一監督があまりにも保守的であることだ。FW鈴木優磨(鹿島アントラーズ)、MF堂安律(PSVアイントホーフェン)らより才能あふれるタレントを持ちながら、彼はそのタイミングで調子の良い選手を見過ごし続けている。

 18歳のMF松木玖生(FC東京)はなぜU-21代表で、A代表に呼ばないのだろうか。彼はすでに代表レベルの才能の持ち主であることを証明している。年齢や経験よりも才能、勢いを重んじる外国人監督なら招集していただろう。

 オーストラリア戦で負けてしまった場合、JFA(日本サッカー協会)には強烈なプレッシャーがのし掛かる。日本の目標はW杯出場ではなく、そこで勝つことであるべきだ。

 日本は予選突破に挑戦するために、保守的なサッカーに長けた監督を起用していると思うが、私が監督を選ぶ立場なら、とっくに監督を交代させている。このコーチングスタッフたちはアウェーの難敵相手に試合を支配できることを証明できるのか。日本代表にすれば、当然の期待だと思う。だからこそ、日本の負けられないプレッシャーは強烈なものになるだろう。

(スコット・マッキンタイヤー / Scott McIntyre)



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スコット・マッキンタイヤー

東京在住のオーストラリア人ジャーナリスト。15年以上にわたってアジアサッカー界に身を置き、ワールドカップ4大会、アジアカップ5大会を取材。50カ国以上での取材経験を持ち、サッカー界の様々な事象に鋭く切り込む。

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