J1浦和、3か年計画3年目で「大幅入れ替え」 槙野、宇賀神、興梠の功労者も退団…“変革断行”の真意とは?

3年計画のラストイヤーを迎える浦和レッズ【写真:ⒸURAWA REDS】
3年計画のラストイヤーを迎える浦和レッズ【写真:ⒸURAWA REDS】

【番記者コラム】2019年末に打ち出した3年計画のラストイヤーは「結実の年」

 浦和レッズは今季、2019年末に打ち出した3年計画のラストイヤーを「結実の年」として迎える。そのタイミングでありながら、下部組織からの昇格を含め13人が新加入。一方で、17年のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝も知るようなベテランが少なからずチームを去った。昨季からリカルド・ロドリゲス監督が就任したなかで、大きくチームは変革の時を迎えている。

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 浦和は12年にミシャの愛称で知られるミハイロ・ペトロヴィッチ監督(現北海道コンサドーレ札幌)が就任して以来、そのサッカーに合わせた選手たちを獲得しながら歩んだ。17年のACL優勝はミシャ監督と夏に契約解除をした後だったが、1つの集大成だと言えた。しかし、そこから強化方針が大きく変わるなかでチームは迷走。既存の選手と親和性のない戦術の採用や選手獲得が繰り返された結果、わずか2年後の19年にはACLで準優勝した一方で、J1残留が最終節まで決まらないシーズンになった。そこで強化体制の一新と同時に打ち出されたのが3年計画だった。

 その初年度になった20年は大槻毅監督が続投したが、契約年数が長く残る選手もいたことで「入れ替えは容易でない」(土田尚史スポーツダイレクター)という言葉もあった。大槻監督は4-4-2を採用しつつ「監督が変わることが多かった。そのたびにクラブがオーダーを聞いて選手を補強したりすることがあったなかで、編成も含めて少しバランスが悪いところが出てきた。都度、やるサッカーが変わるので、そのたびに取ってくる選手の質が変わってくるようなことがあり、3年計画の最初のところでベースに戻す、針をしっかりとゼロに近づける作業は必要だった」と話し、何かを築き上げるというよりも整理する役目を担ったとも言えた。

 そして昨季にロドリゲス監督が就任すると、ポジショナルプレーと呼ばれるビルドアップやボール保持と、ハイプレスを両立することを目指したサッカーをスタート。それに応じた選手獲得の流れが加速し、昨季の開幕前だけでなく夏のウインドーでも多くの新戦力を獲得。さらに、今季に向けては元日本代表MF阿部勇樹の現役引退だけでなく、クラブにとって功労者の側面もある同DF槙野智章(→ヴィッセル神戸)や同DF宇賀神友弥(→FC岐阜)との契約満了、同FW興梠慎三(→札幌)の期限付き移籍といった、大幅な入れ替えを断行した。

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