「打つところがない感じだった」 元日本代表GKが語るノイアーとブッフォンのPK戦での威圧感

東京Vの土肥GKコーチが解説する、2人の守護神による壮絶なPK戦

 欧州選手権(EURO)準々決勝のドイツ対イタリアは「事実上の決勝戦」と称するメディアも多かった。その前評判通りに緊迫感漂った一戦は120分間で決着がつかず、PK戦にまでもつれ込む展開となった。そこで実力を見せつけたのが、ドイツのGKマヌエル・ノイアー(バイエルン・ミュンヘン)、イタリアのGKジャンルイジ・ブッフォン(ユベントス)というふたりの世界的GKだった。ビッグセーブの連発、そして相手キッカーのミスを誘った威圧感は、GKの視点から見るとどのように映ったのだろうか。かつて元日本代表GKとしてジーコジャパンに名を連ね、Jリーグでもベストイレブンに輝いた経験のある土肥洋一氏(現・東京ヴェルディGKコーチ)に、今回のPK戦について分析してもらった。

「あれだけPKが入る気がしない試合もなかなかなかったと思います。ふたりとも、存在感がものすごいところまで達していましたね」

 土肥氏はこう切り出した。最終的には6-5というスコアに収まったとはいえ、9人目まで蹴った上でのこと。5人目までに両チーム合わせて計6人が失敗する展開となったのはやはり、ブッフォンとノイアーという名手がゴールマウスに立ちはだかっていたからだと力説する。

「GK視点で見ていると、キッカーは打つところがないという感じで打っていましたね。特にノイアーに対しては、どこのコースに蹴られても反応されて止められる感覚があったはずです。イタリアの選手も仕方なく正面に蹴っていたシーンなどを見ていると『迷っている、迷っている』と思いながら見ていましたね(笑)」

 

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