今夏も過熱する“クラシコ場外戦” バルサとレアルが狙う次世代スターと宿敵同士による争奪戦の歴史

双方の逆転劇が生んだ“MSN”と“BBC”

 リーガ・エスパニョーラの二大巨頭であるバルセロナとレアル・マドリードは今夏、ポルトガル代表MFアンドレ・ゴメス(バレンシア)、U-23ブラジル代表FWガブリエル・ジェスズの二人を巡って激しいマネーゲームを展開している。過去にも2クラブ間の“クラシコ場外戦”は起きていて、スペイン紙「マルカ」は過去の争奪戦についてプレーバックしている。

 ここ近年で一番新しいケースはブラジル人DFダニーロだ。サントスからポルトに渡り、将来を嘱望されたサイドバックは2015年1月に両者が獲得を繰り広げた。DFダニエウ・アウベス(ユベントス)の後釜を探していたバルセロナがオファーを出していたが、本人の希望はレアルだったこともあり、白い巨人への入団が決まった。ただ昨季はミスも多く、定位置確保とはなっていない。

 現在バルサの「MSNトリオ」として猛威を振るうブラジル代表FWネイマールとウルグアイ代表FWルイス・スアレスだが、レアルも獲得寸前まで向かっていた。特にネイマールは11年9月17日、レアルのドクターと以前FWクリスティアーノ・ロナウドの代理人が同席する中で、サンパウロでメディカルチェックを受けた。翌年のロンドン五輪後の加入が既定路線と見られていたが、バルサが横取りする形で13年夏に電撃加入した。

 スアレスも当初はレアルが獲得を狙っていた。当時指揮官を務めていたカルロ・アンチェロッティ氏(現バイエルン・ミュンヘン監督)はフランス代表FWカリム・ベンゼマとウェールズ代表FWギャレス・ベイルの連携を重視し、ベンゼマを守るためにスアレス獲得を見送ったという。もしネイマールとともに獲得していたならば「MSNトリオ」「BBCトリオ」のどちらも完成を見なかったことになる。

 

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