アーセナル冨安へのパス出し“拒否疑惑” 「ビエルサの指導法」が影響と英指摘
DFホワイトがSBへパスを出さない理由、 “鬼才”ビエルサの指導法が影響と英言及
アーセナルの日本代表DF冨安健洋が4バックの右サイドでコンビを組む“相棒”イングランド代表DFベン・ホワイトが自身へのパスを出さない理由について語った。冨安の発言に英メディアも注目しているが、そこには“鬼才”マルセロ・ビエルサの影響もあると指摘した。
今夏にボローニャからアーセナルに加入した冨安はデビュー戦の第4節ノリッジ戦(1-0)から4バックの右サイドバック(SB)として13試合連続でスタメン出場を果たしている。そして、その全ての試合で右センターバック(CB)として冨安の隣でプレーしているのがホワイトだ。ブライトンからやってきた24歳は足もとの技術やキック精度の高さを持ち味としており、そのパスがアーセナルの攻撃の起点となっている。
しかし、日本のサッカーファンの間では「試合中にホワイトが冨安にパスを出さない」とにわかに注目を集めていた。これについて、元日本代表DF内田篤人氏はスポーツチャンネル「DAZN」で配信されている「内田篤人のFOOTBALL TIME」での対談企画で冨安本人に直撃。冨安は次のように答えていた。
「それは田中碧からも言われたんですけど、僕らの中では“彼はいい選手だ”って結論に至ったんです。
というのも、CBからSBのパスって“はめパス”(相手のプレスにはまるパス)になることがあるじゃないですか。僕も実際にCBをやっていて、SBへのシンプルなパスは最後の選択肢ぐらいなんですよね。サイドバックに出して(相手と)入れ替われるような状況だったら出しますけど。
普通にSBが相手のサイドハーフの前にいる状況だったら、出したところではまっちゃうというか。もちろんSBのタイプによりますし、SBがより引いた位置で受けてくれるんだったら、出してそこから角度があるから先があるんですけど。普通のパス、ただの“はめパス”をしない選手だよねって、ただのいい選手だよねっていう結論になりました」
番組内での冨安のコメントに英国メディアも注目。英紙「デイリー・メール」は「鋭い観察眼を持つアーセナルファンは、5000万ポンド(約75億円)のホワイトが冨安へパスしないことに気づいている」としたうえで「だが、冨安はそれがホワイトの強い守備への意識とゲームを読む力の表れだと考えている」と報じた。
同紙は「ホワイトはピッチ上でこの日本代表(冨安)を信頼していなかったのではないかという一説もあった」とも紹介しているが、ホワイトがSBへの横パスを選ばない理由として「マルセロ・ビエルサの指導法による可能性が高い」と指摘している。
ホワイトは2019-20シーズンに期限付き移籍でリーズに在籍。同クラブを率いる“鬼才”ビエルサ監督はCBがSBへパスを出すことを嫌っていると考えられており、ホワイトのプレーにはアルゼンチン人指揮官の影響が色濃く表れているようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)