ベンチの屋根で歓喜した闘将コンテ イタリアで成し遂げたアトレチコとバルサ流の融合とは

コンテが抱えるドイツ戦への懸念材料

 しかし、コンテ監督にとって準々決勝の2014年ブラジルワールドカップ王者ドイツ戦は頭の痛い問題のようだ。何度となく「ドイツは巨人だ」「ドイツは最も危険なチームだ」と繰り返した上に、このスペイン戦で左足を痛めたMFダニエレ・デロッシの出場が危ぶまれている。しかも、同ポジションで途中出場したMFチアゴ・モッタがイエローカードを受け、累積警告で出場停止という事態に陥った。

「様子を見なければいけないね。ちょっと激しく当たられてしまったんだ。どのようなタイプの負傷なのか見極めなければいけない。もし出場できないのなら、解決策を見つけなければいけない」

 この日もコンテ監督は、テクニカルエリアの最前部まで出て選手を叱咤激励し、ともに戦っていた。1-0でリードした後半に目の前にボールが転がってきた際には大きく蹴り飛ばして遅延行為を行い主審から注意を受ける一幕もあったが、FWグラツィアーノ・ペッレが2点目を決めた際には興奮のあまりベンチの屋根によじ登ろうとまでした。

 熱く燃える魂でイタリアを導く闘将は新シーズンに英強豪チェルシー監督就任が決まっている。フランスでの大舞台を最後にイタリア代表から去るコンテ監督は世界王者ドイツを相手にどのような戦いを見せるのだろうか。

【了】

ゾーンウェブ編集部●文 text by ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング