来季リーグ優勝を狙う浦和、ホーム最終戦で浮かび上がった“避けて通れない課題”とは?
清水に0-1と惜敗、個々の武器と状況が噛み合わない場面が散見
浦和レッズは11月27日のJ1リーグ第37節、清水エスパルス戦に0-1で敗れた。ほとんどの時間帯でボールを支配しながらゴールに迫ることのできないチームには、ここ数か月の課題が浮き彫りになった。
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浦和は天皇杯の結果次第でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権が舞い込む可能性があるリーグ4位を残り2試合の目標に定めていた。名古屋グランパスと鹿島アントラーズが上位にいる状況だけに、引き分けではなく絶対に勝利が必要な状況だった。その試合に向け、コンディションの安定していないFWキャスパー・ユンカーが登録メンバーから外れて、FW江坂任とFW関根貴大が前線に配置された。唯一のストライカーと言えるFW興梠慎三はベンチに控えた。
J1残留争いのなかで引き分けの勝ち点1も大きな意味を持つ清水は、規律のある守備ブロックを組むところから試合に入った。対する浦和はボールを保持したが、相手のブロックの外側で動かしている時間が長くゴール前に入っていけない。
その時にボールを引き出そうと江坂や関根が中盤に降りてくる、いわゆる“ゼロトップ”になるタイミングも多かったが、そのことにより攻撃のバリエーションが出るというよりも、シンプルにゴール前への圧力を欠く面が強く出た。アーリークロスを持ち味とするDF山中亮輔の前が空いてボールを持った時に、ゴール前に誰もいないという個々の武器と状況が噛み合わない場面も多々あった。
リカルド・ロドリゲス監督は「後半は少し上手くボールを持てる場面は出て上手く支配できている部分はあったが、相手にとって危険になるプレーは少なかった」と、決してゴールに向かう力が強くなかったことを認めている。しかし0-0で試合が推移していくなか、最もゴール前での仕事が期待できる興梠がピッチに送り出されたのは後半41分だった。
ロドリゲス監督はこの采配について「興梠だけでなく大久保(智明)の話にもなるが、いいプレーをしていた彼を外すのが難しい場面でもあった。人を前に増やすだけでなく、狙っていきたいスペースに上手く入れるかが大事だと思う。そういった意味で、前線に人数を増やすだけでなく狙いのところが大事だった。幅やそのスペースを使うことができなかったのが問題だと思う」と、左サイドで先発した大久保をピッチに残したかったことを理由に挙げた。