変革のバルサ、「メッシ後」の時代へ カンテラ出身の逸材台頭も戦力ダウンは不可避

ここまでリーグ開幕から負けなしのバルサ【写真:Getty Images】
ここまでリーグ開幕から負けなしのバルサ【写真:Getty Images】

【欧州ビッグクラブ補強総括】バルセロナ(昨季リーガ・エスパニョーラ3位:24勝7分7敗/85得点・38失点)

【戦力充実度】
FW:★★★★★★★★【8】
MF:★★★★★★★【7】
DF:★★★★★★★【7】
GK:★★★★★★★【7】
※10段階評価

【主な新加入選手】
FW
メンフィス・デパイ(←リヨン)
セルヒオ・アグエロ(←マンチェスター・シティ)
ルーク・デ・ヨング(←セビージャ/期限付き移籍)
ユスフ・デミル(←ラピド・ウィーン/期限付き移籍)

DF
エリック・ガルシア(←マンチェスター・シティ)

バルセロナの今季基本布陣(赤字は新加入選手)【画像:Football ZONE web】
バルセロナの今季基本布陣(赤字は新加入選手)【画像:Football ZONE web】

名門バルサが迎える大きな時代の節目、マドリード勢に食らいつけるか

 FWセルヒオ・アグエロやFWメンフィス・デパイなど加入選手のネームバリューは十分だが、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシの退団という衝撃を埋め合わせられるものでは到底ないだろう。深刻な財政難が浮き彫りとなったバルセロナは、“メッシ以前”と“メッシ以後”として区切られる大きな時代の節目を迎えている。

 メッシ退団に加え、移籍最終日にはフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンが古巣アトレティコ・マドリードへ移籍。クラブはメッシが背負っていた10番を18歳のFWアンス・ファティに託し、未来のエースとして仕立て上げようとしているが、そのファティも負傷欠場中。現時点で戦力の大幅ダウンは認めざるを得ない。開幕から3試合はグリーズマン、デパイ、FWマルティン・ブライトバイテの3トップで戦ってきたが、グリーズマンの抜けたポジションには誰が起用されるのか注目したい。ラピド・ウィーンからローンで加入した18歳の“神童”、オーストリア代表FWユスフ・デミルにもチャンスはありそうだ。

 中盤ではMFペドリ、MFフレンキー・デ・ヨングと若い2人が主力として定着。その背後でキャプテンのMFセルヒオ・ブスケッツがバランスを取るレギュラー陣に不足はないが、バックアップが豊富かと言われればそうではない。出番のほとんどなかったボスニア・ヘルツェゴビナ代表MFミラレム・ピャニッチ(→ベシクタシュ)が退団し、カンテラ出身の逸材MFリキ・プッチはクーマン監督の構想外とも伝えられているなかで、ペドリに休養が与えられた第3節のヘタフェ戦(2-1)では17歳のMFガビことペドロ・パエスに出番が与えられた。新たなカンテラーノの台頭は朗報だが、今後も継続してプレーできるかは未知数だろう。燻ぶり続けるブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョの復活にも期待したい。

 最終ラインにはマンチェスター・シティを退団したDFエリック・ガルシアが加入。かつて日本代表MF久保建英らとともに、カンテラでプレーしていた20歳は2017年以来の復帰となる。シティでは出場機会の少なかったガルシアだが、欧州選手権のスペイン代表、そして東京五輪に臨んだU-24スペイン代表の両方に招集されるなど国内では評価が高い。第2節のアスレティック・ビルバオ戦(1-1)では退場処分となるなど早速ミソをつけたが、世代交代を象徴する選手として注目すべき存在だろう。

 19-20シーズンは12年ぶりの無冠に終わり、昨季はかろうじてスペイン国王杯こそ獲得したが、その他のタイトルには手が届かなかった。一時代の終わりを予感させていたなかで、それを決定的なものとするメッシの退団が現実となった。メッシがいたバルセロナは文字通り常勝のチームだっただけに、勝てない時代を知らないメッシ世代のサポーターたちは、この現状をどのように受け止めるのだろうか。その一方で、2000年代初頭の“暗黒時代”を知る古参サポーターたちは胸の奥深くしまったはずの苦い記憶が蘇り、戦々恐々としているかもしれない。

 戦力的に見劣りする感は否めない状況で、今季はマドリードの二強にどれだけ食らいついていけるのか。“変化”を越えて“変革”が求められる時だが、今は前を向いて進むしかない。

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