低迷ドイツ“復権”の鍵はゴレツカにあり! 激戦の中盤センターで放つ異質な才能とは?

ドイツ代表の復調の兆しはレオン・ゴレツカにあり?【写真:Getty Images】
ドイツ代表の復調の兆しはレオン・ゴレツカにあり?【写真:Getty Images】

【ドイツ発コラム】ギュンドアン、キミッヒらが揃う中盤でゴレツカはダイナミックな魅力を放つ

 低迷からの脱却を図る新生ドイツ代表で中心選手として大きな期待がかかっているのが、レオン・ゴレツカではないだろうか。

 長年主軸だったトニ・クロースは代表引退を表明したものの、ドイツ代表における中盤センターのポジション争いは常に激しい。マンチェスター・シティのイルカイ・ギュンドアン、バイエルンのヨシュア・キミッヒ、ドルトムントのマフムド・ダフード、ボルシアMGのフロリアン・ノイハウスと各クラブの中心選手が名を連ね、さらにはレバークーゼンの新鋭フロリアン・ヴィルツも代表デビューを飾った。

 それぞれが素晴らしい能力の持ち主なのは間違いないが、比較的プレーヤーとしてのキャラクターは似ている。スキルやプレーインテリジェンスが高く、ポジショニングセンスに長けている。攻守に運動量が豊富で攻守をつなぎ合わせる存在だ。

 そんななか、他の選手にはない魅力を持っているのがゴレツカだ。両陣ペナルティーエリアからペナルティーエリアまで縦横無尽に顔を出す“ボックス・トゥ・ボックス”タイプの選手であり、ダイナミックな展開ができ、競り合いに強く、フィジカル能力が高く、ヘディングが高く、ミドルシュートが強力で、ペナルティーエリア付近では起点となって存在感を発揮することができる。

 9月5日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)予選アルメニア戦(6-0)のドイツの先制ゴールは、まさにそんなゴレツカの魅力が詰まった得点だった。自陣でボールを持つとスペースに走り込むFWティモ・ヴェルナーを見つけて、素早くロングフィードで走らせた。ボールを収めたヴェルナーが味方の攻め上がりをちょっと待ち、右サイドでパスを回している間に、ゴレツカはすでに敵陣ペナルティーエリアまで駆け上がってきている。ヴェルナーからの斜めのパスを受けたゴレツカは、ダイレクトのチップパスでセルジュ・ニャブリのゴールをアシスト。2点目でも似たような形で、今度は左サイドからの崩しに関わり、得点機を作り出していた。4点目ではキミッヒのチップパスでタイミング良く抜け出すと、ファーポスト際にフリーで抜け出していたヴェルナーへ、ヘディングで柔らかなアシストをしている。

 バイエルンだけではなく、ドイツ代表においても完全に主軸の扱いだ。失望の欧州選手権(EURO)から新たな旅路を歩き出すうえでも、自分が中心になってやっていかなければという責任感は、これまで以上に高まっている。メディアにおける発言にも、そんな思いが滲んできている。

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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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