“中国版カンテ”抜擢は要警戒 敵将の3つの戦術ポイントから探る攻略法は?
【中国サッカー考察コラム#4】中国の左ウイングを抑えられるか
日本のサッカーファンのみなさま、こんにちは。中国サッカーメディアにて活動をしている久保田嶺です。先日9月2日は、日本代表がカタール・ワールドカップ(W杯)最終予選初戦でオマーンに敗れ、中国代表もオーストラリアに完敗と、個人的に絶望の予選スタートとなりました。日本の敗戦は中国でもトップニュースで伝えられ、私にも中国サポーターから「何が起きた?」や「中国もいけるかも」などのコメントが数多く寄せられました。
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しかし、日本の試合から数時間後、中国がオーストラリアに0-3と完敗したことで日本を気にしている場合ではなくなり、現在の中国世論はリー・ティエ監督やチームへの失望や怒りであふれかえっています。
私もこの数日間絶望の結果に打ちひしがれておりましたが、本日は気持ちを切り替え、そして心を鬼にし、リー・ティエ監督の予想戦術や弱点について書きたいと思います。
■リー・ティエ監督の戦術1:帰化選手を起用しない左ウイング
「なぜ帰化選手を使わないのか疑問だ」。先日のオーストラリア戦では4人いる帰化選手のうち、センターバックのティアス・ブラウニング、センターフォワードのエウケソンのみの出場となり、中国メディア「信息時報」もリー・ティエ監督の戦術に疑問の声を伝えています。
中国サポーターからも「リー・ティエは結果よりも中国人のメンツを優先した」「(ファビオ・)カンナバーロ(現・広州FC監督)は4人の帰化選手を使いこなせるが、リー・ティエでは無理ということだ」など、指揮官の判断に疑問を持つ人が多く、特になぜ帰化FWアランを起用しなかったことに納得しない声が見られました。
しかし、後半途中出場で左ウイングに入ったFWウェイ・シーハオが活躍したのも事実です。知り合いの中国人サッカー記者も、「この試合唯一の希望は、ウェイ・シーハオだった」と語っています。
日本戦では左ウイングに誰を起用するのか。ここに注目が集まっています。オーストラリア戦先発のウー・シンハンは良くなかったので、ウェイ・シーハオかアランになるかと思いますが、日本も酒井宏樹選手が離脱となり、普段はバックアップの室屋成選手や山根視来選手が出場することが予想されます。どちらが主導権を握れるかが大きなポイントになりそうです。
久保田嶺
1991年生まれ、埼玉県出身。「Rouse Shanghai Co.,Ltd.」代表。日系企業の中国インバウンド事業やマーケティング、中国サッカー選手/指導者のマネージメントを手掛ける。自身の中国SNSフォロワー数も40万人と中国サッカー界で一番有名な日本人としても活躍。日本へ中国サッカー情報を発信する。