浦和×湘南の“没収試合”、マッチコミッショナーを処分 無期限の割当停止とJリーグ発表
J1第18節で起きた没収試合、浦和がコロナ禍の制度に対して問題提起
浦和レッズの東京五輪代表GK鈴木彩艶がエントリー資格のない状態で出場し、J1リーグ第18節の湘南ベルマーレ戦が0-3の没収試合扱いになった件について、Jリーグが当該試合を担当したマッチコミッショナーに処分を行ったことを発表した。
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浦和は6月20日に行われた湘南戦に鈴木がスタメン出場して2-3で敗れたが、後に鈴木は試合エントリーに必要な新型コロナウイルスの検査に対して陰性であることの証明が行われていなかったことが発覚。直前にU-24日本代表の活動に参加し、その際に行われた検査結果を浦和がJFA(日本サッカー協会)によるPCR検査の結果をもって、Jリーグエントリー資格認定委員会に申請し、エントリー資格の認定を受ける必要があった。
しかし、浦和側のチェックでその不備があったことが23日の柏レイソル戦の前に発覚し、Jリーグからはけん責処分と合わせて湘南戦を0-3の敗戦扱いにする処分が発表。一方で、「チェック機能を持たせてはいるが、義務はなく罰則の規定もない」として、当該試合のマッチコミッショナーに対してはなんの処分もないことが発表されていた。
その後、浦和はこの処分に対して不服申し立てを行い、試合の扱いだけでなくJリーグの体制やマッチコミッショナーに対する罰則規定がないことなど、そうした制度についての問題提起も行っていた。
Jリーグは12日、この試合を担当した髙林敏夫氏について「マッチコミッショナーとしての担当試合の割当を、期限を定めず停止する処分を決定しました」と処分内容を発表し、「エントリーチェックの事務処理に当たり、十分な確認を怠り、結果としてエントリー無資格者が試合出場するという結果を引き起こしました。かかる事実は、当法人と本件MCとの準委任契約に基づき本件MCに課される善管注意義務に違反するもの」と処分理由を発表した。
また、「この処分の妥当性については、複数の外部有識者の助言を踏まえることにより担保しております」として、この件については「競技及び競技会に関する違反行為」に該当する問題のために規律委員会による決定であり、村井満チェアマンらのJリーグ事務局が影響を与えることはできないものだとした。
そのうえで、今後についてはマッチコミッショナーへの研修、クラブへの注意喚起、エントリー関連書類の保管義務、エントリーを含む出場資格確認方法の見直しといった対応策を取ることもリリースしている。
浦和はこの問題の発覚時にクラブのミスを認めていたが、Jリーグも公式に自分たちのミスを認める形になった。新型コロナウイルスという社会情勢のなかで試合開催を続けていくうえで、Jリーグとクラブは協力関係を築き上げる必要があるが、その新しい一歩にすることが求められる。
(FOOTBALL ZONE編集部)