涙のバルサ退団 メッシが“年俸ゼロ円”でもバルサと契約延長できなかった理由は?

対談会見で涙を流したリオネル・メッシ【写真:AP】
対談会見で涙を流したリオネル・メッシ【写真:AP】

前年の50%の給料は保証されないといけないルールにより、無給でのプレーは不可能

 バルセロナを退団したアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが現地時間8日に涙ながらに行った退団会見は、多くの感動を呼んだ。その一方で、「バルセロナに残るためにすべてのことをやった」というコメントに疑問を感じた人もいたようだ。英メディア「GIVE ME SPORT」も、この疑問について取り上げている。

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 サラリーキッップの問題から、メッシと契約延長できなかったバルセロナだが、これまでメッシが50%の減俸をのんで新契約を結ぶと報じられてきた。そのため、メッシの会見後にSNSを中心に聞かれたのが、「メッシが1シーズン、無給でもバルサのためにプレーすると言えば良かったのではないか?」という意見だった。

 プロサッカー選手、しかも史上最高と言われる選手に対して、健全な提案とは言えないが、発想自体は理解できる。そうした意見に対して、「(ジョゼップ・マリア・)バルトメウ前会長が経営で失敗したのに、なぜメッシが無給でのプレーを受け入れなければいけないのか」と反論する者や、「メッシはクラブを去るくらいなら、無給でのプレーも受け入れたはずだ」と擁護する者も出ている。

 だが、欧州サッカーに精通し、英紙「デイリー・ミラー」紙に寄稿するフリージャーナリストのコリン・ミラー氏によれば、メッシが無給でプレーすることは不可能だったという。自身のツイッターで、「リオネル・メッシが無給でバルサでプレーすることは、法的に不可能でした。スペインの法律上、どんな新しい契約であっても、それを結ぶ際には最低でも前年の50%の給料は保証されないといけないからです(これは金融操作を防ぐための措置です)」と、解説をしている。

 資金不足が問題となっているバルセロナは、メッシが去った後も資金調整が必要な状況にあるという。一部には、メッシが50%以上の給料ダウンを受け入れられなかったと捉えられているが、正確には50%以上の給料ダウンは認められていないのだ。涙とともに予期せぬ別れを告げることとなったメッシは、クラブへ戻ることも誓っていた。メッシも、ファン・サポーターも待ち望むその日は、いつになるのだろうか。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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