「全アスリートの模範」 金メダル逃した米女子FW、敗戦後の行動に海外賛辞「泣ける」

アメリカ女子代表最年長の39歳FWカーリー・ロイド【写真:Getty Images】
アメリカ女子代表最年長の39歳FWカーリー・ロイド【写真:Getty Images】

五輪準決勝でカナダに敗れたアメリカ、試合直後にロイドが見せた行動に海外注目

 アメリカ女子代表が2日、東京五輪サッカー女子の準決勝でカナダと対戦し、0-1で敗れた。五輪、女子ワールドカップ(W杯)とも史上最多4度の優勝を誇る“絶対女王”だが、今大会では低調なパフォーマンスに終始し、一時代の終焉を予感させる。海外メディアから厳しい目が向けられるなか、最年長の39歳FWカーリー・ロイドが準決勝敗戦後に見せた行動に「真のプロフェッショナル」「素晴らしい模範」など賛辞の声が上がっている。

 2大会ぶりの金メダル獲得を目指したアメリカは、グループリーグ初戦のスウェーデン戦(0-3)でいきなり完敗を喫して44試合続いていた無敗記録が途絶えると、ニュージーランドとの第2戦こそ6-1で圧勝したものの、続くオーストラリア戦はスコアレスドロー。準々決勝のオランダ戦も、2-2からのPK戦(4-2)でなんとか勝ち上がった。

 カシマスタジアムで行われたカナダとの準決勝も、立ち上がりから押し気味に試合を進めたが、相手の組織的な守りを崩せず。後半15分に3枚替えで、FWミーガン・ラピノーやロイドをピッチに投入するも流れは変えられず、逆に同29分にペナルティーエリア内での接触プレーがビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入によりファウルと判定されてPKを献上。これをカナダMFジェシー・フレミングに決められ先制を許した。

 その後も攻撃を仕掛けるアメリカだったが、同41分にロイドが放ったヘディングシュートもクロスバーを直撃。最後までゴールネットを揺らせずに0-1で敗れ、5回目の金メダル獲得への挑戦の夢が破れた。

 ロイドも終了のホイッスルが鳴ると、ピッチにうずくまり失意を露わにした。2005年の国際Aマッチデビュー以来、08年と12年の五輪金メダル、15年と19年の女子W杯優勝と栄光を手にしたなか、年齢的には今回が最後の五輪になると見られており、失望の大きさは想像に難くない。

 だが偉大な背番号10は、まだ5日に3位決定戦が残るなかで自らを奮い立たせるような行動に出た。ピッチ脇で試合後のインタビュー取材が行われるなか、両チームの選手がいなくなったカシマスタジアムのピッチに立ち、ダッシュを始めたという。

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