19歳MFが「すべて背負うのはやりすぎ」 モウリーニョ、PKキッカーの人選に疑問

5人目のキッカーを務め、失敗となった19歳のMFブカヨ・サカ(写真中央)【写真:AP】
5人目のキッカーを務め、失敗となった19歳のMFブカヨ・サカ(写真中央)【写真:AP】

5人目のPKキッカーを務めて失敗した19歳サカ、モウリーニョ氏「酷だった」

 新シーズンからASローマを率いるジョゼ・モウリーニョ監督が、欧州選手権(EURO)の決勝でイタリアにPK戦で敗れたイングランドのPKキッカー選択に疑問を感じたようだ。19歳のFWブカヨ・サカに5人目の大役を託したことについて「ギャレス(・サウスゲート監督)に質問しなければならない」「まだ若い彼がすべてを背負うのはやりすぎだと思う」などと語った。英ラジオ局「talkSPORT」が報じている。

 準決勝までセットプレーによる1失点のみに抑えるなど安定感のある戦いで、EURO初の決勝に駒を進めたイングランド。“ホーム”ウェンブリーでイタリアと激突したファイナルでも、前半開始2分で先制するなど絶好のスタートを切った。しかし、後半22分にイタリア代表DFレオナルド・ボヌッチのゴールで同点に追いつかれると、延長戦を含めた120分間では決着がつかずに、PK戦にもつれ込んだ。

 イングランド代表を率いるサウスゲート監督は延長後半終了間際に、PK要員としてFWマーカス・ラッシュフォードとMFジェイドン・サンチョを投入。2人はそれぞれ3人目、4人目のキッカーを託されたが、揃って失敗。さらに重圧のかかる5人目のキッカーとして19歳のサカが登場するも、左足で放ったシュートはGKジャンルイジ・ドンナルンマにセーブされた。イングランドはPKスコア2-3で敗北。指揮官の采配が裏目に出る形でタイトルを逃した。

 イングランドにとっては1966年の母国開催ワールドカップ以来となるメジャータイトルの懸かる大一番で、経験の浅いサカに重要な5人目のPKキッカーを任せたサウスゲート監督の判断について、モウリーニョ監督は疑問符を投げかけている。

「PKキッカーの決定について、私はサカを最後の1人にしたのは酷だったと思う。あの瞬間にまだ若い彼がすべてを背負うのはやりすぎだと思うのだが、どうなのだろう。私はギャレスに質問しなければいけない。なぜなら、そこにいるべき選手がそこにいなかったり、責任から逃げていることが多いからだ」

 モウリーニョ監督は「優れたPKキッカーであるかどうかは問題ではないと思う」としたうえで、「この状況でラヒーム・スターリングはどこにいた? ジョン・ストーンズはどこにいた? ルーク・ショーは? なぜジョーダン・ヘンダーソンやカイル・ウォーカーはピッチに残っていなかったんだ?」と、ベテラン選手が5人のキッカーに含まれなかったことを指摘。また、試合終了直前に投入されたラッシュフォードとサンチョについて「ワンタッチしただけでPKキッカーを務めるのは、現実的にとても難しい」と、PK要員としての起用の難しさについても語っていた。

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