「イエロー→レッドカード」へ、VAR介入で判定変更 “決定機阻止”とされた状況とは?

VARの介入により札幌DFキム・ミンテ(右端)はレッドカードに判定が変更された【写真:Getty Images】
VARの介入により札幌DFキム・ミンテ(右端)はレッドカードに判定が変更された【写真:Getty Images】

札幌DFキム・ミンテへの判定がVAR介入で警告から退場処分に変更

 7日に行われたJ1リーグ第8節では、9試合で計4枚のレッドカードが提示される展開となった。そのなかでも話題となったのは、2人の退場者を出したFC東京対北海道コンサドーレ札幌(2-1)の一戦だ。どちらの場面も「決定機阻止(DOGSO)」で退場となっているが、後半の札幌DFキム・ミンテに対する判定には様々な声がSNS上で上がっている。

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 問題のシーンは後半10分、FC東京がカウンターを仕掛けた場面だ。こぼれ球を拾ったFC東京FWディエゴ・オリヴェイラが自陣からドリブルを開始。あっという間に敵陣左サイドまで運ぶと、ボールを奪いに来たキム・ミンテの前に入ろうとしたところで倒された

 この時点で荒木友輔主審は、キム・ミンテを「大きなチャンスの阻止(SPA)」で警告し、FC東京にFKを指示。しかし、FC東京DF森重真人などがレッドカードではないかと抗議しつつ、なかなかプレーは再開されない。その間もVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)と交信していた荒木主審は、少し経ってから“オンフィールドレビュー”で直接映像を確認。その後、イエローカードを取り消し、決定機阻止でキム・ミンテを退場処分としている。

「決定機阻止」は4つの条件が揃うことで成り立つ。それぞれ[1]ゴールとの距離、[2]プレーの方向、[3]ボールをキープまたはコントロールできる可能性、[4]守備側競技者の位置と数となっている。

 この場面で判定の審議に関係するのは、[2]の“プレー方向”と[4]の“守備側競技者の位置と数”だろう。まずプレー方向だが、ディエゴの最後のタッチは、映像で見るとおおむねゴール方向に向いていたように見える。また札幌の守備側競技者はキム・ミンテを除いて内側に4人。ただ、この4人の戻るスピードによっては、「カバーできる位置か」で判断が変わってくるだろう。

 今回の場面は、レフェリーにとって、ピッチの比較的“サイド側”で起こったことや守備側の位置で判定が難しい状況だったことは確かだ。ただFC東京は、判定後のFKからディエゴが見事な先制弾を決めている。そういう意味でも、試合の中でかなり重要な場面だった。荒木主審は「決定機阻止」の4要件のうち、どの条件を確認し、判定を覆すに至ったのか。次回の「Jリーグジャッジリプレイ」での解説などによって、サポーターも納得できる見解が出てくることを期待したいところだ。

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