レスターがプレミア制覇へ 先制弾のヴァーディが退場も終了間際の劇的PKで勝ち点1奪取

次節はヴァーディ不在の試練

 しかしその2分後、レスターに試練が訪れる。最終ライン裏に抜け出たヴァーディがペナルティエリアで相手マーカーともつれるようにして倒れたが、これがシミュレーションの反則を取られる。絶対的エースは前半28分に警告をもらっており、2枚目のイエローカードで退場となった。数的不利となったことでクラウディオ・ラニエリ監督は高さのあるFWレオナルド・ウジョアの投入を決断し、岡崎は交代となった。無得点に終わった侍ストライカーは悔しさをにじませながらもピッチを去った。

 残り時間30分間を1人少ない状況で戦うことになったレスターは、ラインを深く下げての徹底防戦を選んだ。しかし時間が進むにつれてウェストハムの圧力に押され続けると同39分、ついにその堅守が決壊する。CKでの競り合いでDFウェズ・モーガンがエリア内で相手を抱えてしまい、PKの判定を取られる。これをキャロルが冷静に決めて1-1の同点となった。5試合連続完封勝利を続けていたレスター守備陣にとって痛すぎる久々の失点となった。

 この一撃で試合の流れはウェストハムへと傾いた。右サイド深い位置に進出したDFマイケル・アントニオのクロスがレスター守備陣に当たってこぼれたところを、オーバーラップしたDFアーロン・クレスウェルが左足を一閃。シュマイケルの手をかすめてゴールネットを揺らした。

 レスターとして見れば終盤に起きた悪夢の逆転劇。マフレズも途中交代で下げており、反撃する力は残っていないかに見えた。しかしアディショナルタイムにドラマが待っていた。MFジェフリー・シュラップがペナルティエリアで倒れるとPKの判定が下る。これをウジョアが冷静にゴール右隅へと決め、2-2と劇的すぎる展開でドローに持ち込んだ。

 終了間際のPKで勝ち点1を拾ったレスターは初優勝で半歩前進した。次戦のスウォンジー戦はエースのヴァーディを出場停止で欠く状況となる。絶対的エース不在の大ピンチに、相棒の岡崎とレスターの真価が問われる一戦となりそうだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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