勝敗を左右する“チーム”としての戦い 横浜FMeスポーツ選手が語る競技シーンの真髄

リーダーとしてF・マリノスをまとめる立場にあるあぐのむ【写真:Football ZONE web】
リーダーとしてF・マリノスをまとめる立場にあるあぐのむ【写真:Football ZONE web】

【横浜F・マリノスeスポーツ/シャドウバース部門インタビュー|第2回】絶え間ない意見交換が生む「チーム力」

 2019年シーズンのJ1リーグを制した横浜F・マリノスは、Jリーグ創設から存在する“オリジナル10”でもあり、名門として知られる。日本スポーツ界を代表するビッグクラブは一方でeスポーツ部門も保有し、「Shadowverse」(以下、シャドウバース)部門が2018年シーズンと2019年はいずれも後期リーグで準優勝という成績を残した。

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 日本での認知度は向上の過程にあるeスポーツだが、その戦いは紛れもなく“スポーツ”としての側面を持つ。“マリノス”の看板を背負う選手たちは、サッカーとはまったく別のフィールドで、真剣勝負を繰り広げている。

「Football ZONE web」ではシャドウバース部門のリーダーを務めるあぐのむ、そして特殊フォーマット「2Pick」を担当するしーまんの両選手に取材を実施。彼らは競技シーンにどのように臨み、チームとして勝利を追求しているのか。戦術を組み上げていく過程、そして能力を発揮するための鍛錬には、まさに“スポーツ”と呼ぶべき取り組みがあった。

   ◇   ◇   ◇

――シャドウバース部門の取り組みとして、どのような練習を積んで試合に臨んでいるのでしょうか?

あぐのむ「試合の週はほぼ毎日チームで通話して、いろいろな意見交換をします。個人個人の意見は強く主張しながら話し合います。上手くまとめるのは難しいですが、お互いの意見を出し合います。例えば1人だけの意見に引っ張られて、残りの2人が納得していない状態で臨んでしまうと、ちぐはぐになってしまいますから」

――チームとして戦うプロリーグでは重要な部分になるんですね。

あぐのむ「もともとは個人戦のゲームで、それぞれが個人でやってきているので、最初はいきなりチームになる難しさもありました。でも、上手く噛み合った時はチーム全体で勝った感じがしますよね。第18節の名古屋OJAベビースター戦(3-1)は、特に“チームで勝った”感のあった試合だと思います。最近では全く見なくなった『魔道具専門店ウィッチ』というデッキを採用(※1)して、そのデッキで勝利を収めた試合です。普通の競技シーンではほぼ採用されないようなデッキですが、プロリーグのルールでは『この瞬間なら使える』というタイミングがあった。チームメートのみずせ選手が持ってきて、そこからみんなで検証して、相性認識もすり合わせて、『行ける』という判断になりました。“今、勝てる”というデッキを持ち込んで勝ち切ったというのは、チーム力だったなと思います」

――しーまん選手は他の選手とは違う「2Pick」フォーマット(※2)を戦っています。取り組み方はどのように違うのでしょうか?

しーまん「僕はチーム単位で見ると別で練習しています。去年からのルーティンとして、試合が土曜日になっているんですが、月曜日から水曜日は1人で練習して、木曜日と金曜日に仲間の人たちと一緒に調整する形ですね。2Pickはいろいろな視点があって、場面によって正解と間違いがあるゲーム。自分の思考だけでは視野が狭いので、他の人の意見も取り入れています。試合3日前までは自分の中で意見や仮説を立てて、それを実際に他の人と共有して、意見を取り入れながら、週の成果をまとめて試合に行くというサイクルです」

※1 プロリーグは40枚のカードで構成されるデッキを節ごとに5つずつ登録して行われる。
※2 ランダムに2枚ずつ掲示されるカードを選んで戦う即興性の高いフォーマット。

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