久保建英、開幕スタメンの可能性は? 現地記者は“適応力”評価、同僚と「理解を深めている」
【スペイン発】プレシーズンマッチ5試合から見る、久保建英のビジャレアルでの現在地
スペインでの2年目に挑む日本代表MF久保建英は、今夏レアル・マドリードから1年間の期限付き移籍でビジャレアルに加入し、カルタヘナ(3-1)、テネリフェ(2-3)、バレンシア(1-2)、レアル・ソシエダ(2-0)、レバンテ(1-2)との全5試合に出場し、今夏のプレシーズンマッチ全日程を終了した。
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5試合を通して久保はウナイ・エメリ新監督に様々なポジションでテストされてきた。カルタヘナ戦の後半45分間をトップ下(4-2-3-1)でプレーした一方、テネリフェ戦ではマジョルカ時代に慣れ親しんだ右サイドハーフ(4-4-2)で、キックオフから45分間出場している。
続くリーガ・エスパニョーラ1部勢との3連戦となった最初のバレンシア戦では、後半途中から左サイドハーフ(4-4-2)で24分間、レアル・ソシエダ戦はキックオフからトップ下(4-2-3-1)で82分間、レバンテ戦はトップ下(4-2-3-1)でフル出場した。
序盤戦は連係不足が目立っていたが、プレシーズンマッチを通じて監督やチームメート、特にボランチのMFビセンテ・イボーラから多くの指示を受け、試合を重ねるごとに同僚の特徴を掴み出したことで連係面が改善され、守備の意識を高めていった。
そして、エースのFWジェラール・モレノが代表戦参加により不在という理由があるものの、久保は最後の2試合に連続して先発出場するまでに至っていた。しかし、まだ昨季終盤にマジョルカで見せたようなパフォーマンスを発揮しているとは言い難い。
最後のレバンテ戦で、久保は4-2-3-1のトップ下に入り初めてフル出場した。開始早々の5分にスルーパスを通してMFサムエル・チュクウェゼのシュートチャンスを演出したが、得意のドリブルは常に警戒され、プレシーズンマッチ全般で見られたようにファウルで阻止されることが多く、簡単には突破させてもらえなかった。
そして後半の半ば、エメリ監督が3選手を交代し、コクランをアンカーに配置した4-3-3にシステムを変更したことにより、久保は左サイドにポジションを移した。その直後の後半21分、激しいチャージを受けながら左足で対角線状のシュートを放つも、わずかに枠を捉えられなかった。高いキープ力は健在だったが攻撃に効果的に絡むことはできず、チームも1-2の逆転負けを喫し、プレシーズンマッチ全日程を終了した。久保の通算成績は5試合(先発3試合)、286分間出場、0得点0アシストだった。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。