「悲鳴を上げた」体から“欧州仕様”のフィジカルへ 日本人鍼灸師が見た鎌田大地の成長

過密日程をこなし「試合の中で強くなっていったと言って間違いない」

「今年は開幕直後から、すごい試合に出ていたじゃないですか。でもその最初の頃は、体がすごい悲鳴を上げていたんですよ。ベルギーとのサッカーの違いとか、強度の違いがあって、試合が終わった後の疲労度は相当なものがあったと思います。それに慣れてくるのに2、3カ月はかかったんじゃないでしょうか。そこからはほぼ痛みがなく、筋肉痛とか筋肉の張りとかも出にくくなってきました。

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 今はそこで耐えながらできる体、そこでプレーしても怪我にならずに耐えられる体になってきたということじゃないでしょうか。そのなかで身体もブンデスリーガにおけるサッカー強度に耐えられるように、筋肉もでかくなっていくんです。僕らのチームは今年も試合数が半端なくて、練習はほとんどできないんですよね。だから試合の中で強くなっていったと言って間違いないと思います。その中で僕の仕事なんかで言うと、疲労を早く回復させるとか、できるだけフレッシュな状態にするための仕事が多いんですね」

 鎌田がブンデスリーガで試合に手続けることで体つきも変わり、身体の使い方も非常にスムーズになってきている点も高く評価されている。欧州トップリーグでレギュラーとして活躍している選手は、みんなそうだ。「ボールコントロールが」とか、「パスセンスが」とか、「アイデアが」という要素は武器として非常に重要なのは間違いないが、それを発揮するためのベースとして、自然体での競り合いで勝負できるだけのフィジカル能力は、やはりなければならないのだ。

 今後も様々な国へ多くの日本人が勝負をしに行くと思われるが、「初年度からレギュラーでフル稼働して、すぐ中心選手になって、どんどん上のリーグに移籍」という夢を口にするならば、本気で肉体改造にも取り組み、意欲的に言葉を学び、真剣に戦術理解を深めるために、時間を有効活用してほしい。

 行かないと分からないこともあるし、行けばなんとかなるというものもあるだろうが、あらかじめできるだけの準備をしておくこともまた大切だろう。実際に現地で求められるものをしっかりと把握することで、初めて正しく努力をすることができる。備えを本気で丁寧にしておくことで、欧州への順応はしやすくなるはずだ。


(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで、さまざまなレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス取得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、16-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで精力的に活動している。

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