元ブルガリア代表DFが急逝 栄光の1994年W杯4強メンバーの一人
歴史にその名を刻んだ「ブルガリアの狼」
しかし、そのミラクルも準決勝でついに終焉を迎える。DFフランコ・バレージを初戦の負傷で欠き、エースのFWロベルト・バッジオも膝の負傷で満身創痍というイタリア代表に対し、そのバッジオに前半20分、25分と立て続けに2点を奪われてしまう。ストイチコフが1点を返したものの、ブルガリアはそのまま1-2で敗れた。そして3位決定戦では集中力を失ってしまい、スウェーデンに0-4と大敗。それでも、FWストイチコフは6点を奪い得点王に輝いている。
この大会のブルガリアは、ストイチコフやコスタディノフといったアタッカー陣の他にも、スキンヘッドのファイターでドイツ戦決勝ゴールのMFヨルダン・レチコフや、左利きのテクニシャンMFクラシミール・バラコフといった個性的な名手の集まった集団だった。最終的に栄冠には届かなかったが、当時の強い記憶に残るチームであったことは間違いない。
イバノフ氏は、そうしたチームを支えたセンターバックだった。背番号3をつけ激しくファイトするイバノフ氏には、その風貌から「ブルガリアの狼」というニックネームもついていた。50歳でのあまりにも早い訃報となったが、ブルガリアの栄光の記憶とともにその名前も残り続けるはずだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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