「2-0で前半をリード」 クライフ氏、肺がんにも”美しく勝利せよ”

バルサ監督時代には心筋梗塞も

 そんなレジェンドだが、ピッチで対峙する相手だけでなく、病とも戦い続けている。現役の頃から愛煙家だったクライフ氏は、ベンチ内では煙草をくゆらせながら指揮を執ることもあったが、91年には心筋梗塞で倒れ、心臓のバイパス手術を受けて一命を取り留めたこともあった。その後禁煙したものの、昨秋に再び病魔がカリスマの体を襲った。

「守り切って勝つより、攻め切って負ける方がいい」など、歯に衣着せぬ名言を残してきたことで知られるクライフ氏は、闘病生活に対しても独特の言い回しで表現している。

「いくつかの医療処置の結果、私はとてもポジティブな経過であると言える。医師の方々の素晴らしい仕事、私をポジティブにしてくれる周囲の人間のおかげだ。現状、前半を2-0でリードしているような感じを受けるが、まだ試合は終わっていない。とはいえ、私はこの試合に勝つと確信しているよ」

 2-0は危険なスコアとはよく言われるが、クライフ氏に油断はないようだ。むしろ『ドリームチーム』を率いた頃のように、肺がんに対しても“美しく勝利する”心づもりなのかもしれない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング