「新型コロナ後のサッカー界」を大胆“仮想” 国際試合の風景を変える“ウイルス再流行”の脅威

国際試合の競り合いの様子(※写真と本文は関係ありません)【写真:Getty Images】
国際試合の競り合いの様子(※写真と本文は関係ありません)【写真:Getty Images】

【仮想ストーリー】全世界を襲う未曾有の危機、収束後のサッカー界の風景とは?

 新型コロナウイルスの急速な感染拡大により、現在世界のほとんどの地域でリーグ戦が中断されている。多くのクラブが活動休止を余儀なくされており、欧州では今シーズンを打ち切る動きも出始めた。

 また各国代表の活動でも、今夏に予定されていた欧州選手権(EURO)とコパ・アメリカ、U-23世代が出場する東京五輪とビッグイベントが軒並み来年に延期。6月までの国際Aマッチがすべて延期となるなか、FIFA(国際サッカー連盟)幹部からは年内の代表戦中止の声も出ている。

 全世界を襲う未曾有の危機により、サッカー界にはどのような影響が生じるのか。サッカージャーナリストの西部謙司氏が、「新型コロナ後のサッカー界」の姿をフィクション風に提言した。

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 新型コロナウイルスの収束には、予想以上に時間がかかってしまった。2022年カタール・ワールドカップ(W杯)予選は各大陸で日程調整が難航し、欧州は再延期となっていたEUROを諦め、集中開催の予選に切り替えた。アフリカはついに予選を完了できず。予選途中の順位を基本に参加国を決めたが、W杯どころではない国も多数あり、特に異議も出なかった。

 欧州各国のリーグ戦も日程が逼迫。リーグ開催中に行うW杯本大会も32カ国でのノックアウト方式を採用し、スケジュールの短縮に舵を切った。その結果、スペイン、イングランド、アルゼンチン、ポルトガルが1回戦で姿を消し、イタリアとドイツも2回戦敗退。強豪国の早期敗退に、カタール大会は火が消えたように盛り上がりを欠くこととなってしまった。ブラジルが地力を見せて優勝したが、各国の準備不足は明らかでクオリティーの面でもなんら発見のないW杯だった。

 コロナ禍で経営が立ちゆかなくなったクラブも続出。何も良いことがなかったこの時期だったが、新しい動きも出てきた。「ハブ・センター」の出現である。

 収束したかに見えて第二波、第三波と燻り続けたウイルスに対して、英国やアメリカのように国境を封鎖する国々と、EU(欧州連合)をはじめ人の流れを閉じない国々に分かれるなか、他国からの入国者に対し緩衝地帯の建設が進められた。入国時の検査で陰性だった人々でも念のため2週間隔離する方針をほとんどの国が採っていた。しかし、当初は入国者を隔離できる施設は限られていて、ほとんどホテルに缶詰にされる不便があった。

 そこで登場したのが「ハブ・センター」だ。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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