マンUの神童に108億円の価値はあるのか? 29試合出場時点の成績をC・ロナウド、ルーニーと比較

主にサイド起用されるなかでの9得点

 次にゴール数で比較すると、ロナウドは29試合の時点で2ゴールしか決めていないが、マルシアルは先日のストーク戦のゴールで9ゴールに達した。ルーニーはクラブのレジェンドであるボビー・チャールトン氏の記録をも5得点上回る、怒涛の15ゴールを決めている。

 しかし、2004-05シーズンにストライカーの位置で起用されていたルーニーと比較するのは正しい評価につながらない。今季のマルシアルの起用法を考えれば、03-04シーズンのロナウドと同様、多くの試合でサイドハーフとして起用されてのゴール数だということに注目すべきだろう。デビュー戦で衝撃のゴールを決めた際には前線での起用だったが、ルイス・ファン・ハール監督は多くの試合でルーニーをセンターフォワードに配置し、マルシアルの持ち場はサイドだった。その意味では、ここまでの9得点というのは並外れた成績を残していると言えるだろう。

 もちろん、マルシアルが偉大な2人に並ぶためには、さらなるレベルアップと実績を残していく必要がある。オールド・トラッフォードで12年目を迎えたルーニーは、現在も多くのゴールを量産。ロナウドも、07-08シーズンに公式戦49試合で42得点と荒稼ぎ。レアル・マドリードに移籍した今では、世界で最も価値のあるフットボーラーの一人にまでなっている。

 マルシアルは、同じ29試合に出場した時点での先発試合数と得点数において、彼ら2人と遜色のないデータを残している。そして、彼が歩んできたここ数カ月のキャリアは、比較対象となった2人のような偉大な選手になる可能性を示唆していると、同紙ではレポートされている。

 「次の監督のためのプレゼント」として、移籍期限最終日に総額8000万ユーロ(当時のレートで約108億円)とも言われる巨額の移籍金で加入したマルシアル。今後ルーニーやロナウドといったレジェンドに匹敵する活躍を見せるようなことがあれば、安い買い物だったと言えるのかもしれない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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