韓国Kリーグ、コロナ禍で年俸減額は不可避も…「無闇に手をつけられない領域」とは?

韓国Kリーグが厳しい状況になっている(※写真はKリーグ所属の水原三星)【写真:Getty Images】
韓国Kリーグが厳しい状況になっている(※写真はKリーグ所属の水原三星)【写真:Getty Images】

リーグ戦延期が続きクラブ経営は厳しい状況 年俸の14~15%にあたる手当は減額か

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界でスポーツの試合やイベントが中止や延期に追い込まれるなか、韓国ではKリーグの開幕も遅れており、いつ始まるか分からない状態だ。そんななか韓国のスポーツ紙「スポーツ東亜」が、国内選手たちの年俸にどのような変化が起こり得るのかについてまとめている。

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 記事では「当然、(年俸の)縮小は不可避だ。大きな枠組みは基本給+手当(出場もしくは勝利、引き分けなど)となっている。韓国プロサッカー連盟が公開した資料によれば、昨シーズン1・2部のKリーグの年俸総額は約1131億ウォン(約101億円)。974億ウォン(約87億円)が基本給、157億ウォン(約14億円)が手当だった。ここから全体の年俸14~15%の手当が減る見込み」と伝えている。

 Kリーグでは蔚山現代と釜山アイパークが、役職員の給与を10~20%削減すると発表したが、選手の年俸を削るという話はまだ出ていない。しかし、クラブ経営を存続させるには、選手の給与を減額しなければ難しいとも言われている。

 同紙は「(各クラブの)支出で最も多いのは基本給だ。現在の状況が2カ月以上も続く場合、財政基盤がしっかりしていなければ、チームの給与支給は難しくなるという話もよく聞く」と伝えつつも、一方で「しかし、そこは無闇に手をつけられない領域」とも説明している。

 これは一体どういうことなのか。記事のなかで、あるサッカー関係者は「様々な意見があるのは分かるが、選手たちの商業的な価値までクラブが利用すると見られるし、その価値は基本給の領域に含まれる」と話している。また、あるエージェントは「とりあえず(基本)給与は正常に支給するのが正しい」と語っている。

 Kリーグでは年俸の削減に関する規約は設けられていないという。例えば「1シーズン何試合出場しなければならない」のような詳細な規定がなく、給与の削減はできないとの見方だ。

 収入がないままではクラブ経営が立ち行かない。もしかすると、選手たちが自主的に一部給与を返納するという動きも出てくるかもしれないが、今後は悩ましい選択を迫られることになりそうだ。

(金 明昱 / Myung-wook Kim)



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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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