なでしこJ、米国遠征初戦でスペインに1-3完敗 高倉監督反省「最後まで重くなった」

スペインに敗れたなでしこジャパン(写真は昨年12月のE-1選手権のもの)【写真:Getty Images】
スペインに敗れたなでしこジャパン(写真は昨年12月のE-1選手権のもの)【写真:Getty Images】

岩渕のスーパーゴールで一度は追いつくも、スペインに3ゴールを許すなど力負け

 なでしこジャパン(日本女子代表)は現地時間5日、アメリカで開催されている国際大会シービリーブス・カップの初戦でスペインと対戦し、1-3で敗れた。

 フランスのリヨンでプレーするDF熊谷紗希を除き、国内組はオフシーズン明けの初戦。FIFAランキング10位の日本は初戦で同13位のスペイン、第2戦で同6位のイングランド、第3戦で同1位の開催国アメリカと対戦。今夏に開催予定の東京五輪へ向け、国外での試合はこの3試合が最後になる見込みだ。

 立ち上がりにスペインのハイプレスに手を焼いた日本は前半8分、最終ラインから展開されたボールを相手と競り合った左サイドバックのDF遠藤純が止めきれずに突破されると、中央につながれてMFアレクシア・プテジャスに折り返しを合わせられて先制を許した。

 日本は前半14分にFW岩渕真奈のスルーパスにFW菅澤優衣香が抜け出し相手GKと1対1になったものの、シュートをセーブされてチャンスを逸した。その後はスペインの右サイドを生かした攻撃に苦しみなかなかゴール前へと攻め込めなかった日本だが、前半終了間際に追いつく。

 同44分、右サイドバックのDF清水梨紗が出したアーリークロスに反応した岩渕は、やや長くなったボールに走り込むとスライディングボレーで合わせた。ペナルティーエリアに入るかどうかの位置から岩渕が右足で浮かせたボールは芸術的な放物線を描き、相手GKの頭を超えてゴールへ。スーパーゴールで1-1と追いついてハーフタイムを迎えた。

 後半から日本は遠藤に代えてDF宮川麻都、菅澤に代えてFW田中美南を投入したが、再び立ち上がりに失点する。後半3分、熊谷からMF杉田妃和へのパスが短くなったところをFWルシア・ガルシアに狙われると、そのまま持ち込まれてGKとの1対1を決められて1-2とリードを許した。

 後半の日本はパスワークをベースに、2点目を決めたガルシアが積極的に背後への抜け出しを狙うスペインの攻撃に翻弄された。GK山下杏也加のファインセーブ連発があったものの、後半33分には背後を狙ったガルシアが熊谷との競り合いを制すと、山下をドリブルでかわして追加点。日本のビハインドは2点に広がった。残り時間こそ敵陣でゲームを進める時間が長くなったものの、そのまま1-3で初戦を落とした。

 高倉麻子監督は試合後「思った以上に重い感じがあった。前半は悪いなりに1-1で帰ってきたので、悪いなりに勝ち切るという話をしたが、ミス絡みもあり、ダメな時間にダメな失点をしたことが、最後まで重くなってしまった。収まりどころがなかなかなく、逆に相手は良く収まった。攻撃の厚みを含めた連続性がなかった。修正点はしっかりと話しをして、やっていけないミスへの集中も追求しながら次に進みたい。収まりどころが一つあれば連続してボールがつながり自分たちのリズムになるが、全部切れていた」と、試合を振り返った。

 次戦はイングランドと中2日での対戦になるが、どこまでチームを立て直せるか、多くの課題を突き付けられる試合になった。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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