もしJリーグ日程の半分が吹っ飛んだら… 新型コロナの緊急事態、いかにして成立させるか

Jリーグは公式戦を3月15日まで延期【写真:小林 靖】
Jリーグは公式戦を3月15日まで延期【写真:小林 靖】

【識者コラム】試合延期が長期に及ぶリスク シーズン移行論が再浮上する可能性も?

 新型コロナウイルスの影響でJリーグが止まった。さらにプロ野球が、コンサートが、次々と中止や延期になっている。満員電車がある限り、焼け石に水な気もするが、当面ここ1、2週間が「瀬戸際」だそうだから仕方ない。

 大企業の中には、全社員を在宅勤務にしたところもあるらしいし、政府も「テレワーク」の推進などを求めている。しかし、そんなことができるなら、もっと早くからやっておけば通勤電車の混雑も緩和できていたのではないだろうか。私のようなフリーランスのライターはもとより在宅勤務なので従来どおりなのだが、締め切りなどで尻に火がついてから動くという点では企業と同じようなもので、そう大きなことは言えた義理ではないわけだが……。

 WHO(世界保健機関)は「パンデミックの可能性がある」と言い始めた。南極を除く5つの大陸にはすでにウイルス感染者が出ている。仮に日本が収束に向かったとしても、世界的に蔓延しているなら東京五輪開催にはかなりの影響が出ると想像できる。欧州選手権(EURO)やコパ・アメリカもどうなることやら。

 災い転じて福となると言うが、災いに乗じて利益を得る者がいるのは古今東西、世のならいである。

 仮に3月で感染が収束せず、むしろそこからピークを迎えるとすると、Jリーグの開催はさらに延期されることになるのだろうか。現状、3月15日までの停止なら十分にリカバリーできそうだが、4月や5月まで試合ができない事態になると、今季のリーグ戦自体が成立しなくなる危惧はある。おそらく、その時に浮上するのはシーズン移行論だ。

 いわゆる秋春制へのシーズン移行論は、季節の風物詩のように定期的に現れては消えてきた。シーズンを移行することでのメリットはある。その半面、デメリットもある。そしてデメリットへの対策が毎回ない。ないので立ち消えになるわけだ。例えば、積雪地域の開催をどうするのかに具体的な対策がないので、もはや議論するだけ無駄な案件になっていた。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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