控えGKからヒーローへ 徳島市立の“PKストップ職人”に漲る自信「全部読んでいた」

GK米田世波の活躍もあり、PK戦の末駒を進めた徳島市立の選手たち(※写真は入場行進時の選手一同)【写真:Football ZONE web】
GK米田世波の活躍もあり、PK戦の末駒を進めた徳島市立の選手たち(※写真は入場行進時の選手一同)【写真:Football ZONE web】

3年生GK米田は途中出場から2本のPKストップを見せて勝利に貢献

 夏の総体ベスト8の徳島市立(徳島)は、2日に行われた第98回全国高校サッカー選手権大会の2回戦で、PK戦(0-0/4-3)の末に昨年度の選手権ベスト4の尚志(福島)を下し、3回戦へ駒を進めた。勝利の立役者は途中出場で2本のPKストップを見せた3年生GK米田世波(よねだ・せな)だ。

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 この試合はGK中川真がスタメンとしてゴールマウスを守ったが、0-0で迎えた後半終了間際に米田が途中投入された。PK戦を意識しての交代だった。

 すると迎えたPK戦で、米田は尚志の4人目MF小池陸斗と5人目FW佐藤一輝のキックを立て続けにストップし、勝利を呼び込んだ。

「昨日の練習で結構止めていたので。こっち(東京)に来る前はPK自体の調子が良くなくて、中川でいこうと思ったんですけど、昨日の感じだと米田かなと」

 試合後にGK交代の意図を問われた徳島市立の河野博幸監督は、このように語っている。8強入りした夏の総体でも3度のPKを勝ち抜き、そこでもすべて途中出場してゴールマウスを守った米田に今大会も信頼を置いた。

 そして、米田も万全の準備をして指揮官の期待に応えた。相手の動きが“見えていた”と、その言葉からも揺るぎない自信が溢れていた。

「(試合を)楽しもうと思っていました。自分が今までしてきたことに自信を持って試合に出ました。今日はめっちゃ見えてましたし(相手の動きを)全部読んでいました。練習の時は調子が悪かったんですけど、昨日の最後に確認していた時にはちょっと戻ってきた感じがしていました。調子が悪くても本番は止めると思っていたので、あまり気にしていなかったです」

1月2日試合結果一覧【画像:Football ZONE web】
1月2日試合結果一覧【画像:Football ZONE web】

 正GKの中川とは「お互いを高め合うライバル」だという米田。中川の実力を前にして、部活を辞めようと悩んだ時期もあったようだが、それを乗り越えてつかんだ選手権の舞台で見事な活躍を披露した。「夏(総体)があってからの冬だったので。実績があったうえで試合に出ていたので、気持ちの面では負けてはアカンなと思っていました」と総体での経験が米田の自信を裏付けている。

 3回戦では筑陽学園(福岡)との対戦が決まった。ベンチスタートから一躍ヒーローとなった米田に再び出番は訪れるだろうか。

(石川 遼 / Ryo Ishikawa)



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