ドイツ1部で“トップ昇格”の19歳日本人MF 渡欧して感じた「日本サッカーとの違い」は?
【アペルカンプ真大インタビュー|第1回】デュッセルドルフと2021年までプロ契約、下部組織から昇格した異色の経歴
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【第2回|ドイツで挑む夢のブンデス出場と学業の両立】
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【第3回|独1部クラブと“プロ契約” 家族の支えに感謝】
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【最終回|”いい道を歩いている”U-23監督、精神面評価】
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アペルカンプ真大(しんた)を知っているだろうか。
フォルトゥナ・デュッセルドルフと2021年までプロ契約を結ぶ19歳の選手で、現地では将来性を高く評価され、ブンデスリーガデビューを期待されている存在だ。日本の年代別代表にも何度か名を連ねており、17年3月のU-17日本代表のアメリカ遠征に招集され、18年6月にはU-18日本代表としてリスボン国際大会に臨んでいる。
日本人選手がヨーロッパで育成アカデミーからトップリーグデビューするという形は、基本的に難しい。早い段階で海外に来たほうがいいという声もあるが、そもそものところでFIFAルール19項に18歳以下の国際移籍禁止の条項がある。そんななか、なぜアペルカンプはドイツの育成機関でプレーする機会を手にすることができたのだろうか。そしてどのようにプロ契約を勝ち取り、どのような未来図を描いているのだろうか。現地で本人へ直接インタビューを行い、これまでの経緯、ドイツでの挑戦、プロ契約、トップチームへの思いなどを連載形式でお届けしたい。
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渡独のきっかけは父親のドイツ転勤だった。ドイツ人の父親と日本人の母親を持つアペルカンプが生まれたのは東京。中学生時には三菱養和ジュニアユースでプレーをしていたが、15年に父親の仕事の都合でドイツに移り住む機会がきた。家族の引っ越しによりドイツに住むことになったわけだから、普通に移籍は許可される。
「ドイツに来たのが15年6月で、それからデュッセルドルフのフォルトゥナでトライアウトを受けました。1~2回練習参加させてもらったんですが、すぐにOKと言われて。ただ最初は国際移籍だったこともあって、登録の関係などで、8カ月くらい公式戦とかテストマッチも出られなかったんです。その頃は練習だけだったので辛かったですけど、いつも100%でやって、いつか必ずできるようになるからと、その時を待ってやってましたね」
無事にフォルトゥナ・デュッセルドルフU-16でデビューを飾ったアペルカンプはその後、順調にU-17、U-19へと昇格していく。U-19での2年目にはキャプテンも務めた。
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。