終了間際の劇的決勝弾で大社を破る

　第94回全国高校サッカー選手権大会の1回戦、青森山田高校（青森）対大社高校（島根）の一戦がニッパツ三ツ沢球技場で行われ、優勝候補の一角に挙げられている青森山田が2点ビハインドを跳ね返す大逆転勝利で1回戦を突破した。

　序盤から主導権を握ったのは大社。前半32分に園山栄樹の右クロスに主将の桑垣誓広が頭で合わせ、1度はGKに弾かれたものの、こぼれ球を左足で押し込み先制。同38分には黒崎龍樹のスルーパスに走りこんだ桑垣がこの試合2点目を決めて、リードを広げた。

　予想外の展開となったが、ここから青森山田が本領を発揮する。前半終了間際にJ1湘南に加入が内定している背番号10のFW神谷優太が、右足の強烈なシュートを突き刺し、1点差で前半を折り返す。そして後半11分、2年生MF高橋壱晟のミドルシュートが決まり、同点。さらに、後半終了間際に再び高橋が左CKからの混戦の中、起死回生の一撃を決めて土壇場で3-2と逆転に成功した。

　試合はこのまま終了。優勝候補の青森山田が、苦しみながらも1月2日の2回戦に駒を進めた。

【了】

石川　遼●文　text by Ryo Ishikawa