脅迫事件の被害者ヴァルブエナを擁護するデシャン 容疑者ベンゼマは「同じ扱いはできない」

「疑惑のエース」の代表活動停止を決めたフランス連盟の判断を支持

 フランス代表のディディエ・デシャン監督は、セックステープに関する脅迫事件の被害者となったリヨンMFマテュー・ヴァルブエナを擁護する一方、脅迫と共謀容疑で逮捕、起訴されているレアル・マドリードFWカリム・ベンゼマについて「同じ扱いはできない」と断罪している。フランス地元テレビ局「TF1」で語ったもの。

 ベンゼマはヴァルブエナ恐喝に関与した疑いですでにフランス警察当局に逮捕されている。すでに容疑が浮上してから代表招集を見送られているストライカーは、有罪が確定すれば禁錮5年の重罪となる。フランスサッカー連盟は事件が収束するまで、ストライカーを代表に招集しない意向を明らかにしている。

 ヴァルブエナも同じく代表招集を見送られているが、デシャン監督は「マテューに対するどんな非難も向けるつもりはない。彼には罪に思うことなど何一つない」と擁護している。ヴァルブエナは表沙汰にならないように通報したはずが、「巨大なメディアのプレッシャーにさらされている」と渦中の主人公となったことを同情している。

 「フィールド上には何の問題も存在しない。だが、カリム・ベンゼマについてはそういうわけにはいかない」と、デシャン監督は厳しい態度を示している。被害者であるヴァルブエナと容疑者のベンゼマを対面させることが禁じられているために、容疑者を招集するわけにはいかない。

 フランス連盟は事件が収束するまで、ベンゼマを代表活動停止とすることを決めている。「選手を招集するのは私だが、組織が最も大事。倫理的な観点から会長の決定は理に適っている」とデシャン監督は説明。来年の欧州選手権フランス大会へのヴァルブエナ招集の可能性を示唆する一方、疑惑のエース離脱はやむなしという見解を示していた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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