レスターMF、サラー負傷の危険タックルで人種差別の標的に クラブ広報は怒りの声明
グレナダとバングラデシュにルーツを持つチョードリーがサラーを負傷させ批判の標的に
レスターのイングランド人MFハムザ・チョードリーが、現地時間5日のプレミアリーグ第8節リバプール戦(1-2)でエジプト代表FWモハメド・サラーに見舞った危険なタックルが波紋を呼んでいる。試合後にはリバプールのユルゲン・クロップ監督は「理解できない」と不満を露わにしていたが、SNS上ではグレナダとバングラデシュのルーツを持つチョードリーに対して人種差別用語が飛び交っているという。イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が報じた。
試合はリバプールが前半40分にセネガル代表FWサディオ・マネが均衡を破るゴールで先制。後半35分にレスターがイングランド代表MFジェームズ・マディソンの得点で一度は同点に追いついたが、アディショナルタイムにリバプールのベテランMFジェームズ・ミルナーがPKを決め、2-1で劇的な勝利を飾った。
しかし、リバプールは決勝弾が生まれる前にアクシデントに見舞われていた。エースのサラーが後半44分に右サイドからドリブル突破した際、背後からレスターMFチョードリーに足を刈り取るような激しいタックルを見舞われて負傷。左足を押さえて悶絶し、その後足を引きずりながらしばらくプレーを続けたが、後半アディショナルタイム2分にピッチを後にしていた。
エースの交代を余儀なくされたクロップ監督は試合後、「あれはまったく理解できないチャレンジだ。ボールは完全に(サラーの足から)離れていた。私からすれば、出るカードの色は一つしか考えられない。非常に危険(なタックル)だ」とレッドカードではなく、イエローカードにとどまった判定に不満をもらしていた。
しかし、批判はさらに拡大しているようで、イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」は、「イングランドはいまだ人種差別主義:サラーへのファウルでチョードリーへの侮辱と脅迫」との見出しでレポート。イングランド出身のチョードリーは、カリブ海グレナダ出身の父とバングラデシュ出身の母を持ち、両国にルーツを持つがSNS上で人種差別に発展しているという。
「チョードリーはイングランドの人種差別の犠牲者。クロップをはじめ多くの人から批判を受けたファウルは、『猿』『動物』といった人種差別用語の対象になっている」
記事によれば、所属するレスターの広報は「こういった(人種差別の)言葉にはうんざりしている。コメント主が可能な限り最も厳しく罰せられることを望む」とコメントしたという。
危険なタックルだったとはいえ、チョードリーは思わぬ事態に見舞われている。