南野拓実は「システム変更で生き返った」 王者リバプールを惑わした“足の強さ”と守備力

南野らしさが表れたアシスト、独特の“強さ”でファン・ダイクを攻略

 南野は“足が強い”。

 例えば、右足が前に出ている状態から、もう一歩右足を前へ出せる。ステップワークが独特で速いのだ。ファン・ダイクは南野に寄せていたが、足の運びを合わせられず、自分のすぐそばを通過するパスを阻止できなかった。サイズが小さいがゆえの利点とも言える。ザルツブルクの1点目も韓国代表FWファン・ヒチャンが、切り返しでファン・ダイクをかわしてからのシュートだった。

 攻撃で「違い」を作った南野だが、通常は右サイドハーフとして守備もしっかりこなしている。日本人アタッカーがヨーロッパで成功するには、ある意味、守備がどれだけできるかにかかっている。攻撃の才能は評価されていても、守備に穴のある選手は使いにくいからだ。日本でもそれは同じだが、ヨーロッパの場合は他の人の守備エリアをカバーしてくれないこともあり、自分の担当エリアは自分で守らなければならない。

 ザルツブルクはオーストリア国内リーグ6連覇中の“1強クラブ”だが、ヨーロッパのコンペティションを目標にしているためか、守備にも抜かりがない。南野はそのなかでポジションを確保している。守備のタスクもこなせるからだ。そうでなければ、この大一番に先発起用されていなかっただろう。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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