“神の子”と呼ばれた背番号「9」の物語 逆境でこそ輝く“不屈のエース”トーレスの真髄

逆境や勝負どころでゴールを奪ってきた不屈のエースストライカー

 一つ断言できるのは、トーレスは自身が厳しい立場にあればあるほど、チームが最もゴールを必要としている局面であればあるほど、信じられないようなゴールを生み出してきた。横浜FM戦もその一つだが、スペイン代表でも2008年、12年の欧州選手権(EURO)の決勝でともに優勝に導くゴールを奪っており、驚異的な勝負強さを見せている。これまで在籍してきたビッグクラブでもいまだに愛される存在でい続けられているのは、記憶にも記録にも残るような決定的なゴールでチームの窮地を救ってきたからだ。そのような姿は、まさに“神の子”という神々しい表現にぴったりだった。

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 簡単な決定機を外すにもかかわらず、最難関クラスの一撃をいとも簡単に決めてしまったり、不調に沈んでいても大一番で劇的なゴールを奪ったりするように、良い意味でも悪い意味でも不安定で荒々しい男は、背番号「9」が様になるストライカーだった。幾多のビッグクラブを渡り歩いたトーレスだが、そのほとんどで、点取り屋を示すエースナンバーを託されてきたことが、何よりの証だ。

 今後は鳥栖のアドバイザーとして若手育成に携わっていく意向を示したものの、決して容易い挑戦ではない。実際に鳥栖は今季も残留争いを強いられており、現在は最下位と、J2降格が現実味を帯びている立場にある。それでも、そんな逆境に立ち向かう姿勢にこそ、トーレスの真髄が宿っている。会見では、記者からクラブの深刻な状態について指摘されると、彼は精悍な表情で力強く、こう答えた。

「もちろん今までのサッカー人生のなかで良いことだけでなく、難しい状況というものもあった。でも、私はその難しい状況というものも、ネガティブに捉えず、新しいチャレンジと受け取ってきた。なぜなら、それこそが自分を成長させてきたものだからだ」

(FOOTBALL ZONE編集部・城福達也 / Tatsuya Jofuku)



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