ブラジルW杯の取材に訪れて早3週間 ブラジルは本当に「危ない国」なのか?

現金を持ち歩くことにはリスクもある

 先日は、W杯で訪れた日本人観光客を受け入れている宿泊施設で盗難被害があったという。犯人はブラジル人の少女2人で、見た目は10歳かそこらだったという。この宿泊施設はインターホンを押してロックを解除してもらう仕組みになっている。2人が普段から出入りしているような雰囲気だったので、宿泊客がうっかり入れてしまったのだという。

 2人は“侵入”を果たすと、すぐさま荷物をあさり始めたという。そして、大胆にも日本代表のユニフォームを着てきたところをつかまった。“身体検査”をしたところ、盗んだものが見つかったので、警察を呼ばずに解放した。すると、あとで宿泊客の1人がカバンに入れていた現金約10万円がなくなっていることが発覚した。

 恐らく、少女たちは身体検査でチェックされにくい下着の中などに隠していたのだろう。このしたたかさは、彼女たちが“常習犯”であることの証拠だろう。ブラジルでは、子供といえども隙を見せてはいけないと思わされた出来事だった。

 今回、僕は現金10万円ほどをブラジルに持ってきている。スーツケースの中にしまって、出かけるときはカギもしているが、この話を聞くと多額の現金を持ってくること自体がリスクだなと感じる。

 現金は携行品保険の対象外なので、盗まれても保険で下りない。これまでは現金をある程度多めに用意して、現地通貨が足りなくなったら両替するのがスタンダードだったが、それはもう“古い”のかもしれない。

 幸いにも、今はクレジットカードを使用して現地ATMで引き出すことや、キャッシュカードのように引き出せるプリペイド型のカードなど新しい形もできている。とりあえず今回のブラジルでは最大限に警戒して乗り越え、次の海外取材の際には新しいスタイルを導入したい。

 どんなに楽しくても、犯罪の被害に遭えば、その旅行は台無しになってしまう。自分がその国のことを“好き”でいるためにも、防犯対策はしっかりしようと思う。

【了】

北健一郎●文 text by Kenichiro Kita

 

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※ワールドカップ期間中、記事内で扱うシーンの一部はFIFAワールドカップ公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』のマルチアングル動画、選手毎のスタッツデータで確認できます。
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