相手の“変化”に戸惑う日本サッカー U-20韓国戦でも露呈した僅差勝負で勝てない弱さ

U-20W杯16強で韓国と対戦した日本は、終盤に失点を喫し準々決勝進出を逃した【写真:Getty Images】
U-20W杯16強で韓国と対戦した日本は、終盤に失点を喫し準々決勝進出を逃した【写真:Getty Images】

U-20W杯16強とアジアカップ決勝に共通した日本の課題 “予想外の何か”に指揮官も手を打てず

 U-20ワールドカップ(W杯)ラウンド16で、U-20日本代表は韓国に0-1で敗れた。力のあるチームだっただけにベスト16止まりは残念だが、この韓国戦を見ていてA代表のアジアカップ決勝での負け方(1-3でカタールに敗戦)に似ていると思った。

 共通点は、相手の変化に弱かったことだ。

 U-20W杯の韓国戦は、前半が日本のペースで後半に韓国が盛り返した。アジアカップ決勝のカタール戦は前半が相手のペースで日本は後半に攻め込んでいる。ただ、相手が“予想外の何か”をしてきた時に意思統一ができずに、足をすくわれたのは同じだった。

 韓国は前半を5バックで耐え、後半に選手交代とともに4-4-2にして反撃を開始。すると、日本はディフェンスラインが下がって全体が間延びしていき、こぼれ球を韓国に拾われるようになってしまった。また、選手間の距離が広がったことでパスミスが増え、間延びしたスペースを突かれる悪循環に陥っている。

 とはいえ、前半ほど一方的でなくなっただけで展開としては打ち合いだった。ただ、どちらに転ぶか分からないゲーム展開をする必要は日本にはなく、またそうならなければ力関係からして勝てていただろう。

 アジアカップ決勝では、前半にカタールのパスワークに翻弄されて日本のハイプレスが空転。しかし、無理にはめこもうとしてかえって相手にスペースを与えて2失点。コンパクトさが失われたのはU-20と同じだった。

 どちらも、ちょっとした心の隙が関係しているのかもしれない。相手を下に見ているわけではないだろうが、明らかに状況が変化している、あるいは上手くいっていないのにもかかわらず、強引に押さえ込もうとして墓穴を掘っているからだ。さらに、悪い状況で指揮官が何も手を打たなかったのも共通している。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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